アメリカのインフルエンザ様疾患の流行が冬本番を前に壊滅的に。ほぼ全土で高レベルの流行
アメリカの爆発的な流行を前にして日本はどうなるのか?
データが正しいのならば、時期としてかなり深刻
アメリカでのインフルエンザ等の呼吸感染症の流行が、同時期としては「過去最悪」の状況となっていることを CDC のデータが示しています。
以下の記事では、11月5日までのデータとして、過去最大級にインフルエンザを含む呼吸器感染症が増えていることをご紹介していますが、その後、「完全に過去最大となった」ようです。
[記事]アメリカで、前例のない早い時期にインフルエンザ患者が過去最大に急増。患者は小さな子どもが中心であることから考える日本のこの冬、来年の冬、その後の冬
In Deep 2022年11月17日
これまでアメリカで最もインフルエンザ感染者数が多かったのは、2017 – 2018年のシーズンでしたが、同時期としてはその 3-5倍などのレベルとなっていて、すべての時期でも過去最高となっています。
2017年のシーズンからの全米でのインフルエンザ流行の比較
CDC
なお、便宜上、「インフルエンザ」と記していますが、このデータは、呼吸器感染症全体をさしています。
CDC のページには以下のように記されています。
(CDC のページより)
> この米国のインフルエンザ様疾患監視ネットワーク (ILINet) は、インフルエンザ様疾患(熱と咳または喉の痛み)と呼ばれる呼吸器疾患の外来患者を監視しており、臨床検査で確認されたインフルエンザではありません。インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルスなど、同様の症状を示す可能性のある病原体への感染の可能性を含みます。 (CDC)
なお、今シーズンのアメリカのインフルエンザ様疾患の特徴は、
「若い人たちの重症化と入院率の高さ」
と言えそうです。
ロイターは、「若者 14人が死亡した」と伝えています。
米インフルエンザ入院、10年ぶり最多 若者14人死亡=CDC
米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は5日、米国内でインフルエンザによる入院者が同時期としては過去10年で最多に達しているとして警戒を呼びかけた。
また、これまでに若者14人がインフルエンザで死亡していると明らかにした。
インフルエンザのほか、RSウイルスによる呼吸器感染症や新型コロナウイルス感染症の患者によって、米医療システムが引き続き圧迫されていると指摘した。 (ロイター 2022/12/06)
データを見ますと、上の報道にある「若者」という表現より、素直に「子供」が多いと見られます。
CDC の記載では、最も入院率が高かったのは、85歳以上の高齢者ですが、「65歳未満」に限ると、以下のようにあります。
(CDC のページより)
> 65歳未満の人口 10万人あたりの入院率は、0~ 4歳の小児 (28.4) で最も高く、50~ 64歳の成人 (16.6) が続きます。 (CDC)
グラフでも、0 – 4歳の受診率が圧倒しています。
夏以来、子供たちのあいだで、複数の呼吸器感染症に同時に感染する、いわゆる「三重感染」と呼ばれるものも拡大していますので、これまでとは異なる複雑な医療状況となっている可能性があります。
[記事] 世界中に広がる子どもの免疫消失 : オーストラリアでもコロナ、インフルエンザ、RSウイルスの3種のウイルスに「重複感染」して入院する赤ちゃんが急増
In Deep 2022年7月2日
冬の本番がこれからだと考えますと、状況は今後さらに混乱した状態となっていくのかもしれません。
フランスでも小さな子どもたちの「三重感染」が報じられていますので、北半球では、比較的全般的なものとなっているのかもしれません。
(報道)フランスでも、コロナとインフルエンザ、そしてRSウイルスの三重流行が爆発…という報道 (2022/12/04)
日本がどうなるのかはわからないですが、同じようなことがまったく起こらないということもなさそうで、今後気温が低下していくと共に、ある程度は類似した感染状況となりそうです。
また、アメリカでは医薬品不足も起きていると報じられています。呼吸器疾患に積極的な医薬品介入が妥当かどうかは、私自身は疑念を持っていますが(基本的に薬は不要だと思っています)、それはそれとして、アメリカでの医薬品不足は、地域的に深刻になっているようです。
医薬品流通に問題があるのは日本も同じであり、今後の感染状況次第では、医薬品不足でも、日本も同じような状況となり得ると思われます。
マイコメント
壊滅的と言う表現がふさわしいほどインフルエンザの患者数が激増しているアメリカですが
これから日本も同じような状況に見舞われるのでしょうか?
私はYesと思います。
先日政府はコロナとインフルエンザの同時検査キットを販売することを決めましたので
コロナとインフルエンザが心配な人はちょっとした発熱でも検査キットを購入するでしょう。
そして、検査結果は高確率で陽性になると思いますので、検査する数に合わせて増加曲線を
描くので来年早々爆発的な感染状況となるのではないかと思います。
ちょっとした発熱があったとしても大多数はそのまま安静にしていれば治ると思いますが
38℃以上の高熱になった場合は病院に行けばいいのです。
安易に検査キットに頼るべきではないと思います。
それが彼らの思うつぼです。
自分で判断しましょう。
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