コロナワクチン有料化「1回9700円の自費」
国費により無料で行われている新型コロナウイルスのワクチン接種。現在の無料接種を有料化する議論が国、政府で進められている。無料化による国費は昨年1年間で2兆3396億円がつぎ込まれているのである。
新型コロナウイルスは現在、感染症法上の分類で重篤性や感染力の強さから2類に位置付けられている。しかし政府は死亡率、重症化率が低下してきていることから、予防接種法上で緊急接種の必要性が薄れたとして、季節性インフルエンザ等の5類へ見直すということなのだ。
2類相当では患者の入院勧告、就業制限措置がとれるが、5類に引き下げれば感染拡大の危険性は薄くなったとされるため、現在の緊急接種から定期接種へと対応は変わる可能性が高くなる。つまり、国費による無料接種から、インフルエンザ並みに個人の有料負担になるということだ。こうした国や政府の動きに第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストが指摘する。
「2類の重い感染症の位置付けからインフルエンザ並みの5類への見直しは、ワクチンの有償化を前提としたセットの議論です」
年間2兆3000億円を超える公費負担を今後も持続することは国庫事情から厳しいことは国民も理解している。しかし政府の主張はいま問題の防衛費の増額同様に拙速感は否めない。ワクチンの無償化問題でも課題を先送りに、結論から進んでいるとしか思えないのだ。発熱外来を行う医療現場の声を聞いてみた。
「インフルエンザワクチンの接種は3600円で打っていますが、コロナワクチンは現在の価格は1人約9700円です。1万円近くかけてインフルエンザ並みの疾患で接種を受けるとは思えません。しかも、コロナ株の変異が続けばさらなるワクチンを打つことになる。今年のように年に3回家族4人で打つとなると、ワクチンに約12万円も払うことになる」
■有料化となれば医者は自費購入、意外なリスクも
先の星野氏も、「有償で高いとなれば、感染してもワクチン接種を受けない人は増えるでしょう」と懸念する。さらに医療機関にとって経営問題が避けられないとこう言う。
「有料化になれば医者がワクチンを自費購入することになります。ワクチンのバイアル瓶(注射剤の容器)1本には6人分のワクチンが入っています(インフルエンザは1本に1~2人分)。患者さんが6人接種に来られず、キャンセルが入ればその分は廃棄せざるを得なくなります」
開封後のワクチンは6時間以内の使用が限度。つまり、開封後にキャンセルが5人出れば5人分のワクチンが廃棄されることになり、1バイアルで約5万円の赤字となる。
「破産する医療機関が増えると思います。また、赤字を回避するために廃棄せずに使用する医者が出ないとも限りません」(前出の医師)
さらに、「無料化では患者との事故に行政が責任を取ってくれます。有料化になれば医者側が責任を負うことになる。接種を拒否する医者が出てくることも考えられます」。
ワクチン戦略のより明確な方向付けが必要とされている。
(ジャーナリスト・木野活明)
マイコメント
コロナが5類から2類へ変更する見直し作業が今進められているが、もし、2類になれば現在の
ような無料接種は有料になるだろうと思います。
有料化されると1回9700円とインフルエンザワクチンの3000円と比較し3倍以上になります。
果たして、これだけの金額が受け入れられるかどうか疑問ですが、コロナワクチンを接種る
ひとは大きく減ることが予想されます。
反ワクチン派からすれば歓迎すべきことですが、ワクチン接種を望む人からは受け入れがたい
ものだろうと思います。
どうやら、来年初頭からは有料化される気配が濃厚なようです。
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