新型コロナが「5類」へ移行 保健所は業務縮小、PCR検査施設閉鎖へ

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アクリル板 コロナウイルス

新型コロナが「5類」へ移行 保健所は業務縮小、PCR検査施設閉鎖へ

5類になったことは喜ばしいが、次が控えているのかも?

 新型コロナウイルスの感染症法上の分類引き下げを翌日に控えた7日、百貨店では感染対策のアクリル板が撤去され、宿泊療養施設だったホテルは営業再開に向けた準備を進めた。

 保健所は業務を縮小し、PCR検査施設も多くが閉鎖される。市民からは感染再拡大への不安の声も上がった。

■マスク任意に

 東京・銀座の百貨店「松屋銀座」。地下1階のコーヒー専門店では午後7時半の営業終了後、カウンターにつり下げられていた飛沫(ひまつ)防止用のシートが取り外された。「視界が開けた気がする。お客様の顔をしっかり見られるし、声も聞き取りやすくなる」。女性店員(58)は、しみじみと話した。

 初めて緊急事態宣言が発令された2020年4月は、松屋銀座も臨時休業を余儀なくされた。6月の全館再開後は、各店舗のカウンターにアクリル板やシートを設置するなど感染対策を徹底してきた。

 コロナウイルスの法律上の分類が、季節性インフルエンザと同じ5類に移行するのに合わせ、アクリル板などはほぼ撤去した。着用を求めてきた従業員のマスクも「任意」にする。

■一般客受け入れ

 自治体が設けた「宿泊療養施設」は7日で原則として廃止。8日以降は、重症化リスクの高い高齢者や妊婦向けとして、全国に約1700室が用意される。

 約2年間にわたって埼玉県の宿泊療養施設になっていた「アパホテルさいたま新都心駅北」(さいたま市大宮区)は8日から、一般客の受け入れを始める。

 同ホテル代表の橋本和久さん(59)は「従業員が療養者の入所手続きに当たるなど、社会的役割は果たせたと思う」と振り返り、「ホテルとして多くのお客様に利用してもらうのが一番」と営業再開を喜んだ。

■保健所一区切り

 各自治体の保健所では、7日も職員らがコロナ対応業務に当たった。東京都港区の「みなと保健所」では、職員4人が感染者の「発生届」の内容を確認したり、電話で患者の健康状態を聞き取ったりしていた。

 8日から発生届や患者の健康観察は不要になり、業務は区民からの電話相談対応などに縮小される。二宮博文・担当課長(50)は「混乱もあったが、職員と協力し、工夫しながら乗り越えてきた」と3年余りのコロナ禍を振り返った。

 区内で初の感染者が確認されたのは20年2月。未知のウイルスに不安を抱いた人から問い合わせが殺到した。感染拡大時は患者の入院先が見つからず、休み返上で探したこともあった。

 二宮課長は「ウイルスが消えたわけではなく、感染が再拡大しても適切に対応できるよう備えたい」と気を引き締めた。

■無料検査終了

 無症状者を対象にした無料のウイルス検査事業も、7日までに終了した。都道府県が実施主体となり、民間事業者などが検査を担ってきた。

 東京・足立区役所1階のPCR検査センターは7日で閉鎖した。病院に行く前に検査に訪れたという区内の無職女性(40)は「昨年12月に感染しており、今後も油断できない。なくなってしまうのは残念だ」と話した。

 検査センターは昨年1月、区と木下グループ(東京)が連携して開設した。昨夏の第7波では、1週間の検査数が最大約1800件に上ったが、今年4月は2割程度まで減少していた。

 ただ、感染の再拡大に不安を覚える区民もいることから、区は8日から、重症化リスクの高い高齢者向けに抗原検査キットの購入費を一部補助する事業を始める。担当課の網野孔介課長(42)は「高齢者が手軽に検査できる態勢は維持したい」と話した。

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