マイナンバーカード利用した住民票の誤交付、富士通が謝罪 原因は「同時申請があると上書きされる仕組み」
同時申請で上書きと言うのはあってはならない仕様
マイナンバーカードを使って住民票の写しなどがコンビニで受け取れるサービスで、川崎市などで他人の証明書が誤交付されるトラブルが起きたことを受け、システムを提供していた富士通Japan(ジャパン)株式会社が公式サイトを通じて謝罪し、原因を記した。
川崎市によると今月2日、市内のコンビニで男性が戸籍証明書を取得しようとした際、別の市民の証明書が発行され、サービスを停止した。たまたま同じタイミングで別の市民が取得手続きをしたため、男性の手続きが上書きされる誤作動があったという。同社がプログラムを修正した。この1件以外に誤交付はないが、福田紀彦市長は9日の定例記者会見で「おわび申し上げる。今後このようなことがないようにしたい」と述べた。河野太郎デジタル相も「国民の信頼を傷つけ申し訳ない」と陳謝した。トラブルは3月や5月に東京都足立区や横浜市、川崎市で発生。いずれも富士通Japan(ジャパン)のシステムを使っていた。同社のシステムを利用する自治体は全国に200弱ある。
同社は公式ホームページに「2023年5月2日に川崎市様において、証明書交付サービスと戸籍システムを連携させるために当社が開発した個別連携システムの通信連携プログラムの不具合により、証明書交付サービスで申請された方とは異なる住民の方の戸籍全部事項証明書が発行されるという事象が発生いたしました。川崎市様ならびに証明書交付サービスをご利用の皆様に多大なるご迷惑ご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪を掲載。
本事象の原因として、「2か所のコンビニで、2名の住民の方が同一タイミング(時間間隔1秒以内)で証明書の交付申請を行った際に、後続の処理が先行する処理を上書きしてしまうことによるものです」と説明。なお、この不具合は「既に修正および入れ替えを完了しております。なお、当該プログラムは川崎市様以外では使用されておりません」と呼びかけた。
続けて、他の自治体で発生した「Fujitsu MICJETコンビニ交付」の印刷障害については「類似サービスの総点検を既に完了しております」と報告。「今回の事象はこれまでとは技術的に異なる原因によるものではありますが、度重なる証明書誤発行により多くの皆様にご迷惑ご心配をおかけいたしましたことを重く受け止め、あらためて深くお詫び申し上げるとともに全力を挙げて再発防止に努めてまいります」と重ねて謝罪した。
なお、川崎市では、コンビニ交付システムは9日午前7時30分から戸籍発行などを含むすべてのサービスを再開している。
マイコメント
同時申請で上書きされると言うことはあってはならない仕様です。
通常は排他処理がなされ、上書きされないようにするのが本来のやり方です。
申請上同時に申請されるという事例はあり得ることですが、それが同一本人であれば問題は
ありませんが、他人の申請で起こる場合は別です。
ましてやAさんとBさんの違いがあればマイナンバーカード情報が異なるのでその選別処理
さえしっかりしていれば起こりえないことです。
どういう条件処理になっているかは不明ですが、プログラムは人が作成する以上、その作成
者が事例を想定する力量がなければ起こりえることです。
もし、それが数万件に1回しか起こりえないケースであれば予測不可能になります。
そのため、今後も似たような事例で発生する可能性があると言えます。
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