メガバンクの振込手数料「大幅値上げ」の衝撃…もはや大手銀行は「金持ち」しか相手にしない

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メガバンクの振込手数料「大幅値上げ」の衝撃…もはや大手銀行は「金持ち」しか相手にしない

窓口で振り込みをしないでATMで・・・。高齢者切り捨て!

 メガバンクの振込手数料がとんでもない額になる。「スマホを使えない高齢者は切り捨てる」と言わんばかりの姿勢には強い違和感を覚えるが、恐るべき「デジタル差別社会」の到来は避けられそうもない。

 「値上げを発表した銀行側の真意は、はっきり言ってしまえば『もう窓口には来ないでくれ』ということでしょう。メガバンクの収益のほとんどは、高額の資産を持っている富裕層や大企業から得ている。『おカネのない庶民はできるだけインターネットを利用して、銀行員の手を煩わせないでくださいね』という意図が透けて見えます」

振込手数料が大幅値上げ

 銀行の振込手数料値上げのニュースに関して、こう分析するのは経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。

 4月27日、三菱UFJ銀行は、10月2日から店頭やATMでの振込手数料を大幅に引き上げる方針を発表した。

 店頭窓口での振込手数料は現在、振込額が3万円未満で594円、3万円以上だと770円だが、これを振込額に関係なく990円に統一する(他行あて、以下同)。

 さらに現金を使ったATMでの振り込みについても、374円(3万円未満)、550円(3万円以上)という現在の手数料を880円に統一する。場合によっては500円以上の値上げとなるわけだ。一方で、ネットでの振込手数料(3万円未満で154円、3万円以上で220円)は据え置かれる。

 荻原氏の言うように、これだけ手数料が高くなれば、店頭窓口を利用して振り込みをする人はほとんどいなくなるだろう。ATMを利用するにしても現金で振り込む場合は、相当な費用がかかってしまう。

銀行のビジネスモデルの変化

 このような値上げの背景には、銀行のビジネスモデルの変化がある。

 メガバンクに勤務する現役バンカーで著書に『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』のある目黒冬弥氏が語る。

 「これまで大きな駅前の一等地には必ず銀行の支店があって、多くの社員が働いていました。しかし、金融のデジタル化が急速に進むなか、メガバンクは路面の支店を次々と統廃合しており、家賃や人件費のかかる窓口を減らしています。

 同じようにATMの数も減らしています。駅やコンビニに置いてあるATMにしても、置く場所の賃料、電気代、メンテナンス費用などで一台当たり月に30万円はかかっています。場所によっては、振り込め詐欺を予防するために係員を立たせる必要もある。

 今回は三菱UFJ銀行が値上げを発表しましたが、おそらく近いうちに他のメガバンクも後追いすると思いますよ」

 実際、三菱UFJは’17年度末で515店あった従来型の店舗のうち200店を’23年度末までに閉鎖すると決めている。残る約300店舗の半分も資産運用などの相談を中心とする簡易店舗に変更する予定だ。

 元メガバンクの支店長で現在は資産形成相談と不動産投資が専門の菅井敏之氏も、銀行の支店網はさらに縮小していくと断言する。

 「富裕層向けの相続対策や資産運用の相談を受け付ける窓口としての店舗が、銀座や新宿といった本当の大都市にだけ残ることになるでしょう」

小口の客はただの「コスト要因」

 そもそも銀行にとって、預金規模が100万円以下の小口口座は収益に寄与しない、ただの『コスト要因』なのだ。

 バブル崩壊後、失われた30年と呼ばれる時代を、銀行はとにかくコスト削減策に徹して生き延びてきた。極端に金利が低いので、カネを貸してもなかなかビジネスにつながらないのはわかるが、本来の銀行の役割とはそのようなものではなかったはずだ。菅井氏が語る。

 「コストカットと手数料収入ばかりが銀行のビジネスモデルになっていることは望ましくない。銀行は資産運用のプロ集団と認識すべきです。つまり、顧客と一緒になって事業の方向性を考え、リスクを取っておカネを投融資する。

 そしてその運用の成果を預金金利として客に還元する。そうすることで初めて日本経済が健全に回るはずなのに、銀行は役割を十分に果たせていません」

 みずほ銀行支店長や日本振興銀行代表執行役社長も務めた作家の江上剛氏が断言する。

 「振込手数料を990円なんて法外な値段にするのは、『もう一般庶民はうちに来なくていいですよ。私たちは私たちの客を選びますし、あなたはうちの客じゃありません』というメッセージです」

 突如発表されたメガバンクによる振込手数料の大幅値上げ。「もう窓口には来ないでくれ」という銀行側の態度の裏に透けて見えるのは、「高齢者イジメ」とも言える仕打ちだ。デジタル化やコストカットの波に翻弄される高齢者の実態は、後編記事「大手銀行の「高齢者イジメ」がひどすぎる…長年の「お得意様」を切り捨てた先にある末路」で引き続き紹介する。

                           「週刊現代」2023年5月20日号より

マイコメント


他行向けで990円も取られるなんてこれまでとは考えられない料金です。

親が孫にお金を三菱銀行以外に送金すると990円も取られたんじゃはっきり言って送金を
ためらうでしょう。

それにしても、ATMで送ればカードなら275円なのに現金をATMに入れると880円と言う
落差が理解できません。

このまま行けば数年後には実店舗は廃止されてATMだらけになりそうです。
田舎なら都市部にしかないということにもなりかねないですね。

これはある意味現金の使用を抑制しネットバンキングなどのデジタルマネーに誘導する
ために政府から勧奨されたんじゃないかと勘繰りたくなります。

あの○○太郎の顔が浮かんできます(笑)。

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