新生児向けのアストラゼネカ社製のRSウイルス抗体製剤が米国で承認勧告へ。
本でもすでに承認申請中。治験では12人の赤ちゃんが死亡
早ければ秋にも正式に承認
一昨年から、次の新しいワクチンのターゲットが乳幼児になるのではないかという懸念はありました。そして、それは RS ウイルスを対象にしたものになるのではないかと。
[記事] 次はRSウイルス恐怖症への誘因の模様。ADEの問題を丸抱えした mRNA ワクチンによる赤ちゃんへの攻撃が世界全体で始まる
In Deep 2022年11月12日
[記事] 私たちの中の永遠の人工RNA
In Deep 2021年6月26日
これが、一気に動き始めました。
アメリカ食品医薬品局の独立顧問委員会が、
「全会一致で、赤ちゃん向けの RSウイルスワクチン(モノクローナル抗体)の承認を勧告した」
ことが報じられています。
これについて、米国のサイト「ディフェンダー」は、「極限の無謀」というタイトルで伝えていましたが、まずは、一般の報道をご紹介します。
米CNBCの報道です。
太字はこちらでしています。
アメリカ食品医薬品局の顧問たちは乳児をRSVから守るためにアストラゼネカとサノフィのモノクローナル抗体を推奨
FDA advisors recommend AstraZeneca, Sanofi antibody to protect babies from RSV
CNBC 2023/06/08
アメリカ食品医薬品局の独立顧問委員会は 6月8日、新生児の入院の主な原因である RSウイルスから乳児を守るための抗体ニルセビマブの使用を承認するよう全会一致で勧告した。
FDA がニルセビマブを承認すれば、この抗体は米国で利用可能な最初の RSウイルスに対しての医療介入となり、すべての乳児を RSウイルスから守ることができる。
FDAには諮問委員会の勧告に従う義務はないが、第3四半期にニルセビマブに関する最終決定を下す予定だ。
ニルセビマブは、アストラゼネカによって製造されたモノクローナル抗体で、この薬はサノフィによって販売されることになる。
諮問委員会は 賛成 21対 反対 0で承認を勧告した。
別の投票で、顧問たちはまた、RSウイルスの第2シーズンでもウイルスに対して依然として脆弱な 2歳までの小児へのニルセビマブの使用を推奨した。
この投票は 19対 2だった。
科学者たちによると、米国では RSウイルスにより毎年 100人近くの乳児が死亡している。
このウイルスは公衆衛生上の大きな脅威だ。昨年、RSウイルス感染症の急増により小児病院が圧倒され、これに対応して、バイデン政権に公衆衛生上の緊急事態を宣言するよう求める声が高まった。
RSウイルスはインフルエンザや新型コロナウイルス感染症と同時に流行するため、病院への負担がさらに増大する。
RSウイルス に対して使用される 2番目のモノクローナル抗体はパリビズマブと呼ばれる。この抗体は早産児と、重篤な疾患のリスクが高い肺や先天性心臓疾患を患っている人にのみ適用される。
対照的に、ニルセビマブは健康な乳児にも投与されることになる。また、単回投与として投与されるため、投与が容易になる。
ニルセビマブは、モノクローナル抗体であるため、ワクチンとは見なされない。
ニルセビマブは医薬品として規制されているため、連邦政府の小児ワクチンプログラムが無保険または十分保険に加入していない子どもたちに無料で提供するかどうかは不明である。
ニルセビマブは、すでにカナダ、ヨーロッパ、英国で承認されている。
効果
FDAの審査によれば、ニルセビマブは医師の診察を必要とする下気道感染症の予防に最大 75%、入院の予防に 78%の効果があった。
FDA によるより保守的な推定では、医師の診察を必要とする下気道感染症に対する抗体の有効性は約 48%とされている。
ニルセビマブは、乳児の体重に応じた用量で単回注射として投与される。体重が 5キログラム未満の乳児には、最初の RSウイルスシーズンに 50mg の注射が行われ、体重が 5キログラム以上の乳児には 100 mgの注射が行われる。
2歳未満の小児で、生後 2シーズン目でも重篤な RSウイルスのリスクが残る場合は、ニルセビマブ 200mg を 1回注射する。
安全性
FDA はニルセビマブの審査で安全性の懸念を特定しなかった。
FDA は、ニルセビマブの試験では重篤なアレルギー反応の症例は見つかっておらず、抗体を投与された乳児では皮膚発疹や過敏反応の症例は少なかった。
しかし、FDA職員のメリッサ・ベイラー博士は、ニルセビマブが承認されれば、こうした副作用が起こる可能性が高いと述べた。
治験でニルセビマブの投与を受けた乳児 12人が死亡した。FDAの調査によると、これらの死亡例はいずれも抗体に関連していなかった。
4人が心臓病で死亡、2人が胃腸炎で死亡、2人は原因不明だが乳児突然死症候群の可能性が高く、1人は腫瘍で死亡、1人は新型コロナウイルスで死亡、1人は頭蓋骨骨折で死亡、1人は肺炎で死亡した。
「死亡者のほとんどは基礎疾患が原因だった」とベイラー氏は語った。「いずれの死亡例もニルセビマブに関連していないようだ」
RSウイルスワクチンの開発には歴史的な失敗があったため、安全性には細心の注意が払われてきた。科学者たちは 1960年代に不活化ウイルスを使ったワクチンの開発を初めて試みたが、そのワクチンは、自然感染した一部の子供たちの RSウイルスによる病気を悪化させ、その結果 2人の乳児が死亡した。
アストラゼネカの患者安全責任者マニッシュ・シュロフ氏は、同社は大規模な世界的監視システムを通じてニルセビマブの安全性を注意深く監視し続けると述べ、「安全性は最も重要だ」と述べた。
ベイラー氏は、母親に接種することで胎児に防御抗体を与える開発中のワクチンとニルセビマブがどのように相互作用するかについても未解決の疑問があると述べた。
FDAの顧問たちは 5月、乳児を保護するファイザーの母体用 RSウイルスワクチンも支持している。同局はこの母体用ワクチンについて 8月に決定を下す予定だ。
やれやれ…。
以下のような状況でも見切り発車するのかよ、と。
> 治験でニルセビマブの投与を受けた乳児 12人が死亡した。
>
> …4人が心臓病で死亡、2人が胃腸炎で死亡、2人は原因不明だが乳児突然死症候群の可能性が高く、1人は腫瘍で死亡、1人は新型コロナウイルスで死亡、1人は頭蓋骨骨折で死亡、1人は肺炎で死亡した。
そして、FDA職員のメリッサ・ベイラー博士は、「死亡者のほとんどは基礎疾患が原因だった」と述べていますが、
「そんな赤ちゃんたちが治験に参加していたのかよ」
ということでもあります。
心臓病で死亡、乳児突然死症候群で死亡、腫瘍で死亡、というのは、この時点で、いったんストップするものなのでは? と思うのですが、コロナワクチン以来、「大ざっぱさがまかり通るようになった」のかもしれません。
投与量も実に大ざっぱで、
> 5キログラム未満の乳児には、最初の RSウイルスシーズンに 50mgの注射が行われ、体重が 5キログラム以上の乳児には 100 mgの注射が行われる。
>
>2歳未満の小児で、生後 2シーズン目でも重篤な RSウイルスのリスクが残る場合は、ニルセビマブ 200mgを 1回注射する。
となっていて、「倍々で増えていってどうする」と思いますが、記事では、最も重要なところがボカされています。
「抗体依存性感染増強 (ADE)をクリアしたのか」
にまったくふれていません。
抗体依存性感染増強のリスクはまたもうやむやに
記事に、
> RSウイルスワクチンの開発には歴史的な失敗があったため…
とありますが、先ほどもリンクしました「 ADEの問題を丸抱えした mRNA ワクチンによる赤ちゃんへの攻撃が…」という過去記事で、アメリカ CNN の記事から抜粋しています。
1960年代のアメリカの RSウイルスワクチンの治験についてです。
2022年10月31日のCNNより
…「残念なことに、その秋、RSウイルスのシーズンが始まったとき、予防接種を受けた子どもたちの多くが入院を必要とし、通常よりも深刻な RSウイルス疾患にかかりました」
この時の試験で発表された研究では、ワクチン接種を受けた子どもの 80% が、後に RSウイルスに感染した際に、入院を必要としたのに対し、プラセボの接種を受けた子どもでは(接種していないという意味)、入院したのは、わずか 5%だったことがわかった。
治験に参加した赤ちゃんのうち 2人が死亡した。
この治験の結果は、ワクチン科学に大きな衝撃を与えた。RSウイルスに対する新しいワクチンを開発する取り組みは、何がうまくいかなかったのかを解明しようとするために中止された。
… 接種した子どもたちは、ウイルスを認識またはブロックすることに失敗しただけでなく、子どもたちをより重篤にする強力な誤った方向の免疫反応を引き起こした。これは、抗体依存性感染増強 (ADE)と呼ばれる現象だ。
このような ADE が「解決した」ということは、この CNN の記事でも、先ほどの CNBC の記事でも一切ふれられていません。
そもそも、多くの場合で、ADE というのは、そのメカニズムがよくわかっていないものです。
コロナワクチンに関しては、日本の大阪大学などの研究チームが、スパイクタンパク質の「 NTD 」という部位が、抗体依存性感染増強と関係していることを 2021年に突きとめましたが、「改良はナシ」のまま、接種キャンペーンは突き進みました。
[記事] 大阪大学が「抗体依存性増強の研究」論文を発表。そこから想像できる「ワクチン接種拡大と共に死者数が増加する理由」。そして、今のワクチンではADEは避けられないことも
In Deep 2021年5月31日
改良は簡単にできたはずで、RBD と NTD とふたつあるうちの RBD だけをコードするワクチンにするだけです(中国やキューバの独自ワクチンはそうなっていました)。
いずれにしても、コロナの場合は、ADE と結合部位の関係がこのようにわかったのですが、他の多くの感染症の予防ワクチンにおいて ADE が発生するメカニズムはほとんどわかっていないはずです。
そうであるなら、本来なら、
「 ADE が解消されない限り、開発あるいは実用化してはいけない」
ということです。
しかし、RS ウイルス予防薬は、「実用化寸前」です。
FDA の顧問が全員賛成したという状況から、速やかに承認されると思われます。
一般的には、RSウイルスは冬の流行ですので、秋までに承認すればいいということだと思われます。
まあ、日本においては、RSウイルスの流行期がムチャクチャになっていて、夏に向かう現在、患者数が増えたりしていますが。
夏風邪のヘルパンギーナと冬風邪の RSウイルスが同じ増加曲線を描いているという異常があります。
このような異常性というのは、前回の以下の記事に書きましたような、小さな子どもたちの免疫が混乱、あるいは崩壊していることと関係あるとは思います。
[記事] 子どもや若者たちの現在の「極端な免疫低下」は、どこかで止まるのか、それとも止まらないのか
In Deep 2023年6月10日
だから問題なんです。
免役の状態に何か起きているような赤ちゃんに、RSウイルス抗体のようなものを使用して一体どういうことが起きるかと。もちろん予測は難しいです。
なお、アメリカの心臓専門医であるピーター・マッカロー博士は、この RS ウイルスワクチンについて、以下のような懸念を述べていました。
(ピーター・マッカロー博士の言葉より)
「モノクローナル抗体は一般に子どもに対しても大人に対しても安全です。しかし、私は、広範な乳児集団のこの接種が、RSウイルス、インフルエンザ、ライノウイルス、アデノウイルス、SARS-CoV-2 などの感染症に容易に対処するための正常な胸腺と免疫系の発達を混乱させる可能性があることを懸念しています」
childrenshealthdefense.org
ちなみに、これはアメリカだけの問題ではないです。
日本のアストラゼネカ社のウェブサイトには、2月28日付けのニュースリリース「抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤nirsevimab承認申請のお知らせ」で、日本でも承認申請されるていることが書かれています。
先ほどの CNBC の記事に、
> ニルセビマブは、すでにカナダ、ヨーロッパ、英国で承認されている。
とありましたが、ここにアメリカも加われば、日本でも確実に承認されると思われます。
このニルセビマブというものの成分はわからないですが、医薬品のデータベースを検索しますと、「遺伝子組み換え製剤」ではあるようです。
> ニルセビマブは、遺伝子組換え抗ヒト呼吸器合胞体ウイルス(RSV)Fタンパク質モノクローナル抗体であり、ヒトIgG1に由来する。
>
> H鎖の261、263及び265番目のアミノ酸残基は、それぞれTyr、Thr及びGluに置換されている。ニルセビマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。
>
> ニルセビマブは、456個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
「チャイニーズハムスターってなんだ?」と見てみますと、Wikipedia には以下の記述がありました。
(チャイニーズハムスター – Wikipedia)
> …チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞にタンパク質を作るための遺伝子を入れることで、かなり多くのバイオテクノロジー薬品がいまだに作り出されている。 Wikipedia
「へえ」と思いましたが、「コロナはヘビで、今度はネズミかよ」とも思います。
もともと(自然の)新型コロナウイルスの「遺伝子配列」が、ヘビのものと似ているということは知られていました。
[記事] これらの「ヘビ毒」はどこから生じた? 欧州の研究者たちが、新型コロナ感染者のサンプルを分析し、そこに「毒液の有毒成分と同一」の複数の成分を見出す
In Deep 2022年11月5日
ともかく、次第に、好き放題になってきている感じが強くなってきました。
しかし、何より最大の問題は、以前から思っていますが、「予防してはいけない病気」がこの世にはあり、RS ウイルスはそれに該当すると私は考えていることと関係しています。
なにしろ、
「 RSウイルスは 2歳までにほぼ 100%が自然感染する」
ものです。
ほぼ 100%の人間が発症するというものは、もはや「病気」ではなく「自然のメカニズム」です。おそらくは、胸腺の発達などを含めた病原体に対しての免疫系を発達させるために、「かからなければならない」ものだと私は確信しています。
ほとんどの赤ちゃんがかかる病気は他にもあって、突発性発疹などもそうですが、国立感染症研究所によれば、この原因は、ヒトヘルペスウイルス6型のようですけれど、突発性発疹なんかも「かからないほうがおかしい」ものです。
再活性化すると厄介なヒトヘルペスウイルス6型に「体内で適切に休眠してもらうための儀式」とさえ思っています。
[記事] 数年後の社会 : 双極性障害、大うつ病性障害、統合失調症、アルツハイマー病… ヒトヘルペスウイルス6型の再活性化が及ぼす広い影響に戸惑うばかり
In Deep 2021年9月16日
RSウイルスのこの予防薬が承認された後には、またコロナ同様のキャンペーンのようなものが始まると思われます。
恐怖も煽られるかもしれません。
その際のお母様がたの賢明さに期待しています。
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