「岸田政権」「財務省」「特捜部」…それぞれの思惑とは? 「安倍派・二階派」強制捜査で「強まる疑念」

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岸田総理 政治・経済

「岸田政権」「財務省」「特捜部」…それぞれの思惑とは? 「安倍派・二階派」強制捜査で「強まる疑念」

官僚が国を牛耳るようになると自由主義が終わり、完全な官僚社会主義国家へと変貌を遂げる!

3者が手を結んだ「安倍派潰し」

自民党派閥の政治資金パーティ問題で、東京地検特捜部が19日、政治資金規制法違反の疑いで安倍派と二階派の事務所を家宅捜索した。この背景に、何があるのか。私には、財務省と特捜部、それに岸田文雄政権の3者が手を結んだ「安倍派潰し」のように見える。

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今回の裏金スキャンダルに先立って、財務省は岸田政権の足元を脅かす工作を重ねていた。最初は、宮沢洋一自民党税政調会長が11月7日、日本経済新聞のインタビューに答えて「所得税減税は税収増の還元ではない」と語った発言だ。

すると、鈴木俊一財務相が翌8日、衆院の財務金融委員会で「過去の税収増は当初予算や補正予算の編成を通じて、政策的経費や国債償還などにすでに充てられている」と語り「減税すれば、その分、国債発行が必要になる」と強調した。

ところが、岸田首相はこれより前の11月2日、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定し、そのなかで「税収増を納税者である国民に分かりやすく『税』の形で直接還元することとし、令和6年度税制改正として本年末に成案を得て、3兆円台半ばの規模で所得税・個人住民税の定額減税を実施する」と書き込んでいた

閣議決定の記述はもちろん、宮沢氏の発言や鈴木大臣の答弁を振り付けたのも、いずれも財務省である。財務省が自分で書いておきながら、後になって、ちゃぶ台返しのような真似をしたのは「岸田首相にダメージを与える狙いがあった」ように見える。

ほぼ同じタイミングで、週刊文春が11月8日、神田憲次財務副大臣の税金滞納問題を報じた。同氏は結局、財務副大臣を辞任したが、税金の滞納は、本人が税務署以外には知り得ない話だ。

異例の人事」の裏側

この段階に至って、私は財務省の意図を確信し、11月24日公開コラムで、財務省と自民党5大派閥の政治資金不適切処理問題をメディアにリークした東京地検特捜部がタッグを組んで「彼らは事実上、倒閣に動いている」と書いた。財務省は本来、増税を目指すはずの政権が、真逆の減税に動いたことが許せなかったのだ。

24日付の「夕刊フジ」連載コラムでも、財務省と特捜部の意図を強調して「この先も大スキャンダルが火を噴く可能性がある」と指摘した。いま、まさにその通りの展開になっている。

今回の裏金スキャンダルの背後では、最初から財務省が暗躍していた。特捜部は当初、派閥の政治資金不適切処理という比較的、軽微な問題を捜査していると見られたが、そこから議員個人へのキックバックが発覚し、一挙に大スキャンダルに発展した。

 
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財務省と特捜部が倒閣を狙ったとすれば、岸田首相は「彼らと対決している」と思われるかもしれない。ところが、そう単純ではない。岸田首相は「安倍派潰し」という点で、彼らと思惑が一致しているからだ。それが如実に示されたのが、安倍派閣僚らを一掃した12月14日の人事だった。

先週公開のコラムで、私はメディア報道に基づいて、閣僚を4人も更迭する人事の異例さを指摘し「特捜部は内々に官邸に捜査情報を伝えていたのだろうか」と書いた。その後、特捜部が安倍派と二階派の事務所を家宅捜索するに及んで、私はますます、その疑念を強めている。そうでないと、辻褄が合わないからだ。

岸田首相が「特捜部は安倍派を狙っている」という確信がないまま、最大の政治的脅威である安倍派パージの人事に踏み切って、後で「特捜部の狙いは別のところにあった」などという話になったら、大失態だ。下手をすれば、人事をやり直さなければならなくなるどころか、首相の判断ミスが厳しく問われてしまう。それこそ、政権に大打撃だ。

首相とすれば、特捜部はどの派閥に手を突っ込むつもりなのか、喉から手が出るほど捜査情報を欲しかったに違いない。

捜査情報を入手するハードルは低かった

首相はその気になれば、法相を通じて検察情報を入手できる。あるいは、自分が直接、検察に接触することもあり得る。「政治が個別事件の捜査に介入するのはタブー」とされているが、実は、水面下で検察が首相に接触したと疑われる例がある。

野田佳彦政権当時、法相だった小川敏夫元参院議員は、小沢一郎氏の裁判に関連した特捜部の虚偽捜査報告書事件を振り返った著書「指揮権発動~検察の正義は失われた」(朝日新聞出版)の中で、指揮権発動を決意して、野田総理と面談する前日に突如、法相を解任された経緯を暴露している。

検察の不祥事を指摘されて、法相に指揮権を発動されてしまったら、法務検察の権威は完全に失墜してしまう。小川氏だけではない。死刑廃止論に傾いていた前任者の平岡秀夫元法相も、死刑制度存続論に立つ法務官僚と対立し、なぜか解任されていた。

 

いずれの大臣解任も、小川氏は「法務官僚が舞台裏で首相官邸にねじ込んだのではないか」という趣旨の疑念を記している。法務検察当局はいざとなれば、自分たちの都合に合わせて、首相に接触し、動かせるのだ。ということは、逆も当然、ありうる。

検察庁法14条で、法相は個々の事件について検事総長を指揮することができる、と定めている。首相は法相の任命権を持ち、一般的に指揮できるので、首相は、その気になれば、法相と検事総長を通じて、特捜部の情報に迫れることになる。

今回のケースでは、首相が捜査方針に介入する必要はなく、単に「どこを狙っているのか」という捜査情報を得ればいいだけだ。感触を得るだけでも十分なので、指揮権発動のような大問題になる可能性は比較的、小さい。つまり、首相が情報を入手するハードルは低かった。

岸田首相が捜査情報を入手したうえで、人事をしていたなら、それ自体が大スキャンダルだ。政治的思惑で捜査情報を利用した形になってしまう。情報源が秘匿された形であっても、そんな話がメディアにリークされたら、政権は1発で倒れてしまう。

逆に、すべてが闇に埋もれている限り、政権は現在の苦境を生きながらえたとしても、もはや自分の思い通りには動けない。いまや、岸田首相は財務省と特捜部に首元を抑えられたも同然なのだ。首相は特捜部に借りを作って、自分の弱点を握られた、と言ってもいい。

以上は、私の邪推である。政権はいま、財務省と特捜部の恐ろしさを脳裏に刻んでいるに違いない。

報道の裏側に潜む真実

メディアについても、一言、付け加えたい。

こういうスキャンダルになると、メディアはどうしても特捜部や財務省のリーク情報に振り回され、彼らの言う通り、記事や番組を垂れ流す形になる。だが、本来はメディア自身が事件をどう捉え、何が問題なのか、を追及していくのが重要な役割であるはずだ。

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現状は残念ながら、官邸や財務省、特捜部のオフレコ懇談情報を基に、どこも戦時中の「大本営発表」を思わせるような報道に終始している。それどころか最近は、いわゆる「専門家」の見解さえも、そのまま受け入れているようだ。

 
 

一例を挙げれば、あるテレビ番組で「元検事」の弁護士は、カネの扱いについて「これはあくまで政治資金規正法の不記載であり、裏金という報道はおかしい」という趣旨の話を力説していた。その場にメディアの人間も複数いたが、反論はないままだった。

かなり早い段階から「裏金」と指摘している法律家もいる。私は法律の専門家ではないが、世間の常識では、収入と支出が表に出ていないカネは「裏金」であり、脱税の疑いが濃くなる。今回はまさに、そういうケースではないか。

政治家がそんな裏金を手にして、たとえば、愛人への小遣いや株式投資などに支出していたら、それでも政治資金の不記載で済むのか。どう考えても、おかしいだろう。

いくら「元検事」とはいえ、事件の詳細が分からず、捜査に携わっているわけでもない人間が、いまの局面で裏金の可能性を排除するのは、理解しにくい。こういう場面で反論しないから「メディアは権力のポチ」などと言われてしまうのだ。

事件は、まだ進行中だ。メディア報道の裏側に潜む真実に目を凝らしていきたい。

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12月20日に配信したYouTube番組「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は「財務省、特捜部の思惑」について、私の1人語りで解説しました。

21日には、最近の東大先端研へのケースを材料に「外務省が補助金を配る思惑」について、解説しました。

22日には、ニコ生番組「長谷川幸洋Tonight」で「公開文書で明らかになった天皇訪中の真実と外務省の思惑」などについて、解説します。

マイコメント

官僚が政治に関与し牛耳るようになったら、もはやその国は終わりです。

今回の裏金事件の情報をリークし実行指令を検察庁に出したのは「財務省」だと強く推察
されます。

財務省に政治家が逆らえないのは国税庁の税務調査が入り身の破滅を招くからです。
だから、表立って減税という言葉は言い出せない。

今回の自民党裏金問題は岸田総理が税収増を減税によって国民に還元するということを言い
出してから始まった政治劇です。

完全に日本の国政を手玉に取ってもて遊んでいるようなものです。
決して許せない国家反逆罪に問うてもいいくらいのものです。

安倍総理が暗殺されたのも減税と赤字国債は問題ないと言い続けた結果でしょう。



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