メタバース事業、9割が事業化に“失敗”

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メタバース IT

メタバース事業、9割が事業化に“失敗”

興味本位で始めても仮想空間より現実空間の方が面白い

 NTTデータグループのコンサルティングファーム・クニエ(東京都千代田区)は、「メタバースビジネスの実態調査」を実施し、レポートを公開した。その結果、「事業化の成否が判明した取り組み」のうち、91.9%が事業化に失敗してることが分かった。

photo 「メタバースビジネスの実態調査」を実施(出所:プレスリリース、以下同)

 メタバースビジネスの取り組み状況に関する設問に対し、「事業化の社内審査がおりた」「事業として既に運営している」ケースについては成功、「事業化に向けた検討が停滞」「検討自体が中止された」ケースは失敗と定義している。

photo 「メタバース」事業化の成否

 また同レポートでは、失敗事例と成功事例とを比較し、「企画内容・ビジネスモデル」「検討プロセス」「組織・体制」の観点から事業化に失敗する特徴を導き出した。

 

 企画内容・ビジネスモデルの観点からみる失敗層は、メタバースビジネスを既存ビジネスの延長線上に位置づけている傾向がみられた。そのため、“事業”として捉える視点が希薄であり、「キャッシュポイント」が成功層と比較し個数が少なかったり、「コスト」の可視化ができていない企業が多くみられた。

 検討プロセスにおいて、失敗層はユーザーへの調査を実施せず、「ターゲットや課題・ニーズ」が曖昧であり、エンドユーザーへの提供価値が小さい企画となっている可能性がみられた。事業計画の策定の上でも、「業務プロセスの可視化」「事業リスクの分析」「撤退条件の設定」の検討にも不十分さがみてとれた。

 組織・体制面から見ると、検討チーム内に「新規事業開発」「技術領域」「デジタル領域」の専門性を持つ人材や、企画検討のノウハウ不足が目立った。社内外からの支援も得られず、企画検討に必要な体制が整っていないがゆえに意思決定も遅くなる傾向がみられた。

 調査は、一般企業従事者のうち事業化に向けたメタバースビジネスの検討に携わった経験者を対象にインターネットにより実施した。回答者数は、スクリーニング調査7万人、本調査500人。

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