最近の人工衛星の大量運営により「地球の磁場の消失と電離層の撹乱が現実的な話」に
この影響は人類滅亡レベルになりそう
地球の磁場の消失が現実的な話に
スペースウェザーを見ていましたら、「メガコンステレーションは地球の磁場を変えてしまうのか?」というタイトルの記事がありました。
よくわからなかったので、用語など調べてみましたら、メガコンステレーションという言葉に関しては、まず「衛星コンステレーション」という概念があり、それは、
> 多数の人工衛星を協調して動作させる運用方式。
というものだそうです。
それの「メガ」、つまり、この「多数の人工衛星を協調して動作させる運用方式」が膨大になったものが、メガコンステレーションというもののようです。用語辞典では、
> なかには数万もの人工衛星を配備する計画もある。
ということも書かれており、人口衛星の世界も次第にものすごいことになってきているようです。
2022年の12月の以下の記事では、人工衛星の数が急増しており、 7000基を突破したことを取り上げたことがあります。
[記事]人工衛星の数が過去数年で急増し、「7000基」を突破した模様。その多くが携帯用途であり、地球にかつてない強力な放射を……。人体への影響は?
In Deep 2022年12月18日
1957年から 2022年までの人工衛星の運用数の推移は以下のようになっていました。
1957-2022年の人工衛星の運用数
cellphonetaskforce.org
先ほどのメガコンステレーションというようなシステムの運用が本格化した場合、このグラフの急増ラインは、さらにものすごいものとなっていくと見られます。
スペースウェザーの記事は、これに対しての科学的な懸念を論じている論文を取り上げていたものでした。
それで、まあ、パラッと見てみますと、
「電離層の撹乱」
とか、
「磁場の消失」
とか、ちょっと終末的な影響が書かれているのですが、まず、その論文の概要をご紹介します。
メガコンステレーションとそれに対応する人工大気圏突入プラズマダストによる電離層の潜在的擾乱
Potential Perturbation of the Ionosphere by Megaconstellations and Corresponding Artificial Re-entry Plasma Dust
arxiv.org 2023/12/06
今後数十年間で、主にメガコンステレーションと呼ばれるインターネット群を構築するために、50万から 100万基の衛星が設置されると予想されている。
これらのメガコンステレーションは使い捨てであり、常に再侵入して交換されるため、導電性微粒子の層が形成される。
ここでは、再突入衛星の世界中の分布から残された導電性粒子の質量が、すでにヴァン・アレン帯の質量の数十億倍であることが示されている。
予備的な分析によると、CCMC 電離層データでは、宇宙飛行領域のデバイ長 (※ プラズマ中で荷電粒子が動いて電場を遮蔽する現象の遮断が有効になる長さ)は非宇宙飛行領域よりも大幅に長くなっている。
メガコンステレーションが成長するにつれて、衛星微粒子のデバイ長が月圏環境のデバイ長を超え、世界中の地球の周りに導電層が形成される可能性がある。
したがって、衛星の再突入により、磁気圏の他の部分よりも高い電荷を持つプラズマ塵の地球規模の帯が生成される可能性がある。
導電性衛星とそのプラズマダスト層による磁気圏の摂動は予測されるべきであり、集中的な研究分野となるべきだ。これらの人間の活動は大気だけでなく、電離層にも明らかに影響を与えている。
ここまでです。
メガコンステレーションという多数の衛星が運用され始めた場合「地球の周囲の宇宙空間に、新しい《層》を作ってしまう」というようなことです。
現時点ですでに、
> 導電性粒子の質量は、すでにヴァン・アレン帯の質量の数十億倍
となっているような状態のようなのですが、「層」が人為的に作り出されてしまうと、地球の周辺宇宙空間の状態を変えてしまう。
スペースウェザーの記事には、
「地球の磁場が消失する可能性がある」
と、はっきり書かれています。
地球の磁場が失われると、どのようなことが起き得るかは、以下はずいぶん前の記事ですが、参考になるかもしれません。
[記事]「地球は磁極のポールシフトで磁場を失うことにより、太陽風に晒され水と大気を失った火星と同じ状態を200年間経験するだろう」 — NASA火星探査メイヴン計画主任
In Deep 2015年11月7日
ともかく、先ほどの論文と、スペースウェザーの記事を読んで、
「あー、地球はもうこれはダメだな」
と何となく思いました。
今後数年から十数年は結構な地球の節目かも
メガコンステレーションは、結果として、こういう「電離層のような新たな層(帯)を作り出してしまう」可能性が高いようなんですが、そうなると、地球のさまざまな環境はどうなっちゃうと思いますか?
……まあ、それはわからないんです。
しかし、複雑な「さまざまな問題」がたくさん発生しそうな気がします。
磁場環境や電波や通信の状態が「根底から破壊される」可能性もあると思われます。
スペースウェザーに出ていた以下の図で、矢印がついているのが、人工衛星の「消耗域 (アブレーションゾーン)」ということで、この黄色のあたりに「新しい電離層のようなものができてしまうかもしれない」ということなんだと思います。
人工衛星の周回軌道と人工衛星消耗域
spaceweather.com
この図を見ますと、ヴァン・アレン帯にも干渉することになるようで、ヴァン・アレン帯はまた非常に強力な「ゾーン」ですが、ここに大規模に干渉すると何が起きるのか……は、やはりわかりません。
ちなみに、ヴァン・アレン帯 – Wikipedia には、以下のようなノストラダムスの予言が挙げられていて微笑しましたが、一部の単語を替えれば、何となくこの予言を思い出すような気も。
ヴァン・アレン帯 – Wikipeida より
ノストラダムスの予言にからみ、一部の者は「1999年8月18日のグランドクロスでは、太陽系の惑星の引力が地球に集中してヴァン・アレン帯が壊れ、宇宙線が地球に降り注ぐ。しかし、精神文明を有する日本だけは助かる」と主張していた。
しかし、1999年以前の段階で、天文学者により「グランドクロスは、ほとんど無視できる影響しか及ぼさない」という反論が出されており、実際にグランドクロスの際には特別な現象は何も起きなかった。
ちょっと書き換えていいですか?
オカ某氏の予言にからみ、一部の所沢在住者は「2025年8月某日に、メガコンステレーションによる人工衛星アブレーションゾーンに新しい電離層が形成されたことによりヴァン・アレン帯が壊れ、地球周辺の陽子やら電子やら何やらかにやらの状態が完全に破綻して、ついでに世界各地で大地震が発生する。しかし、精神文明を有する日本だけは助かる。
ところが、コドンの 129 M/V 変異を有しない日本人はやはり助からなかったのであった。
後半、グッと暗い話が再燃しましたが、今回はふれません。
なお、電離層と大地震の関係は以下の記事などをご参照いただければ幸いです。
[記事]「地震の原因は宇宙からやって来ている決定的な証拠」が、京都大学の科学者たちによる高層大気圏の「電離層の研究」から改めて提示される
In Deep 2019年10月23日
いずれにしても、この地球周辺あたりの電子やら陽子やら何やらかにやらの均衡が「破綻」すると、信じられないほど巨大な災害(特に地震)が地球で次々と発生するはずです。
あと、宇宙や太陽からの光線や宇宙線の中には、人間に対して、かなり有害なものもあるのですが、「地球の磁場が正常であるから」私たちは守られています。それに何かあれぱ、ひとたまりもないはずです。
人類の現在の文明って何なんだろうなあと思わせてくれる今回の件でしたが、こういうメガコンステレーションなどの計画が、消えるということもないでしょうし。
5Gもそうでしたけれど、とにかく進み続けます。
ここからスペースウェザーの記事です。
メガコンステレーションは地球の磁場を変えるだろうか?
WILL MEGACONSTELLATIONS ALTER EARTH’S MAGNETIC FIELD?
spaceweather.com 2024/02/03
地球の軌道上で前例のないことが起こっている。わずか数年のうちに、衛星の数は急増し、2020年以来 2倍以上に増加した。
過去 1年だけでも、宇宙時代の最初の 30年間よりも多くの衛星が打ち上げられている。この活動の多くは、SpaceX とその成長を続けるスターリンク・インターネット衛星のメガコンステレーションによって推進されている。
環境活動家たちは、夜空の光害、地球低軌道での潜在的に危険な衛星の渋滞、さらにはオゾン層破壊など、スターリンクについて多くの懸念を提起している。他の企業や国による模倣メガコンステレーションは、こうした懸念を増大させるだけだろう。
そして、心配する新たな理由が出てきている。
シエラ・ソルター氏による新しい研究によると、メガコンステレーションは地球の磁場を変化させ、弱める可能性があるという。
ソルター氏はアイスランド大学の大学院生で、プラズマ物理学の博士号取得に取り組んでいる。彼女は最近、多くの先輩同僚が見落としているあることに気づいた。
彼女はこのように言う。
「今後数十年で、主にインターネットのメガコンステレーションを構築するために、50万基以上の衛星が登場すると予想されています。上昇するすべての衛星は最終的には落下し、地球の大気中で崩壊する。これにより、巨大な伝導層が形成されるでしょう。伝導層は地球の周囲の帯電粒子です」
問題の規模を理解するには、次のことを考慮してほしい。
地球のヴァン・アレン帯にあるすべての荷電粒子を集めた場合、それらの合計質量はわずか 0.00018 kgだ。環流やプラズマ圏などの磁気圏の他の構成要素はさらに質量が小さくなる。
比較として、ソルター氏は以下のように言う。
「第 2世代スターリンク衛星の質量は 1250キログラムで、衛星が最終的に軌道から外れると、そのすべてが導電性の破片になります」
軌道を離脱した単一のスターリンク衛星からの金属破片は、ヴァン・アレン帯の 700万倍も重い。メガコンステレーション全体の質量は数十億倍となる。これらの比率は大きな問題を示している。
「宇宙産業は、粒子状物質の自然レベルと比較して、膨大な量の物質を磁気圏に加えています」とソルター氏は言う。 「衛星破片の導電性により、状況が混乱したり変化したりする可能性があるのです」
このプロセスが実行されている証拠はすでにある。 NASAの高高度航空機を使用した研究者たちによる 2023年の研究では、成層圏のエアロゾルの 10%に、崩壊した衛星やロケットステージからのアルミニウムやその他の金属が含まれていることが判明した。
これらの粒子は、流星や人工衛星が燃え尽きる地表 70~ 80キロメートルの「アブレーションゾーン」に漂流している。ソルター氏はアブレーションゾーンの電気的特性の変化を探すことにした。そして彼女は何かを見つけた。
NASA の高層大気モデルでは、衛星が軌道を離脱するときにちょうどバラバラになる場所で「デバイ長」が急激に増加していることが示されていた。
デバイ長」は、伝導性プラズマ内で不均衡な電荷がどの程度まで感じられるかを研究者たちに知らせる数値だ。衛星が崩壊した同じ場所で急激に変化するという事実は重要かもしれない。
ソルター氏は、将来に当てはめて、衛星の破片が地球の磁場、つまり宇宙線や太陽嵐から私たちを守っている同じ磁場を弱める可能性があると懸念している。
「球形の磁石(地球)の周りに導電性の殻(衛星の破片)を置いたとします。殻の外側では、シールド効果により磁場はゼロになります。もちろん、これは非常に単純化された比較ですが、私たちは実際に、これを私たちの地球にこのようなことをしているかもしれません」
ソルター氏のこの予備調査は、宇宙産業が実際に環境を混乱させていることを示しているようだ。
「非常に憂慮すべきことです」と彼女は結論づけた。 「無限の量の導電性塵を磁気圏に投棄することは絶対にできませんし、何らかの影響を期待することもできません。この汚染に関する学際的な研究が緊急に必要です」と彼女は言った。
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