6月1日、ひとりにつき所得税から3万円、住民税から1万円(年収2000万円以上は対象外・住民税非課税世帯は1世帯7万円給付)が減税される「定額減税」がスタートした。
岸田内閣は「給与明細に減税額を明記するように」と企業に義務づけた。まるで「自分の手柄」と言わんばかりの厳命に、世論は猛反発。恩着せがましい岸田首相は「アピール眼鏡」という、新しいあだ名をつけられてしまった。
「国民の憤慨もわかります。国は物価高に対して “焼け石に水” の減税の裏で、ひとり年額1000円の『森林環境税』を住民税に上乗せして6月から徴収するのです。
徴収に先行して、すでに地方自治体への分配が始まっていますが、 建前は『森林整備』なのに、人工林がない東京・渋谷区にも5年間で9857万円が配られました。
しかし、2023年に公共施設の建て替えの際に900万円を使用しただけで、残りの約9000万円は手付かずといいますから、実効性に疑問符がつきます」(経済担当記者)
ほかにも「再エネ促進賦課金」の名目のもと、電気料金がアップする。
「再生可能エネルギー普及のため、国が全国一律で単価を決めて電気代に上乗せされます。単価は毎年5月に見直され、月々の電気使用量によって、金額は異なります。
再生エネルギーの販売収入が多ければ賦課金は減少します。2023年はウクライナ危機によりLNGなどが高騰。そのため、再生エネルギーの需要が多くなり、販売収入が増えたため賦課金は下がりました。 しかし、2024年は逆転。制度が始まって以来、最も高い賦課金になり、一般家庭でひと月900円程度高くなります」(同)
そして今年2月、財務省は2024年度の「国民負担率」を推計45.1%と公表した。これは「租税負担率」と「社会保障負担率」を合計したものだ。さらに「国の財政赤字」を加えた「潜在的国民負担率」は50.9%になるという。実に収入の半分を税金・社会保障負担・財政赤字負担で国に吸い上げられてしまうのだ。
こうした「問答無用」とも言えるさまざまな徴収に、実業家のひろゆき氏は、6月3日、自身のXに、
《年収1200万円の労働者は、税金で50%取られる。江戸時代の五公五民と同じ。
労働者が残業してお金を貯めても資産家にはなれない。
資産家の金融資産で1200万円の利益への課税は20.315%
資産家は働かずに資産が増え続けて、庶民は老後も働き続ける。
金待ちにはとても優しい国。》
とポスト。さらに続けて、
《支払わないことを選べない政府に払うお金は”税金”です。
再エネ賦課金を払わないで電気は使えないので税金。
年金・社会保険料を払わないで給料を貰えないので税金。
年金、介護保険料、社会保険料は税金ではないという政府の言葉遊びに騙される日本人は結構多いんですよねぇ。。》
と投稿した。
「国民負担率の統計が始まったのは1970年度ですが、実はこのときは24.3%しかなかったんです。20年ほど前の2002年度でも35.0%でしたが、高齢化にともなう社会保険料の増加などで、2013年度に40%を超えました。今後も、大きく減る見込みはありません。
国民負担率が上がるにつれ、『税金』『年金』『社会保障負担』は別物といった意見も広がりました。しかし、ひろゆきさんが指摘するとおり、強制的に負担させられるわけですから、すべて『実質税金』と一括りにするのは明快ですね」(同)
ひろゆき氏の投稿には、《税金取られすぎでやる気が起きない》《税金払うために生きてるんですよね》《手取りからさらに消費税で10%取られてるのみんな忘れるな!》など激憤のリプライが殺到していた。たしかに、収入の半分が奪われるのなら、生活に豊かさを実感できるはずがない。
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