アメリカで「徴兵年齢の男性すべて」が軍に自動的に徴兵登録されるという新しい国防法を見て思う

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米国の徴兵制 戦争

アメリカで「徴兵年齢の男性すべて」が軍に自動的に徴兵登録されるという新しい国防法を見て思う

日本の場合はどうなる? という疑問

徴兵制復活への示唆

アメリカ議会で新しい「国防権限法案」というものが可決されました。

これがまた、ほぼ「全員徴兵の未来」を暗示するものでして、アメリカの 18歳から 26歳までの男性全員が「自動に」徴兵登録されるのです。

ということは、アメリカがどこかの国と戦争を宣言した際には、この年齢の男性たちが全員徴兵される可能性があることになります。

この法律は 2025年度から適用されるそうです。

まずは、このことを伝えていた米ゼロヘッジの記事をご紹介します。


徴兵制の到来か? 下院、男性を徴兵登録に自動的に登録する法案を可決

Military Draft Coming? House Passes Measure To Automatically Register Men For Selective Service
zerohedge.com 2024/06/16

米下院は 6月14日、下院版の年次防衛政策法案を承認し、217対 199の投票で、8,837億ドル(約 139兆円)の国防権限法案(NDAA)を事実上可決した。投票はほぼ党派的なものであり、共和党議員 3人だけが反対した。

この法案には、南部国境での取り締まりの権限を州兵に与える措置など、多くの「物議を醸す」修正案が含まれており、法案が前進するにつれて民主党とのさらなる争いが予想される。

 

しかし、2025年度のこの法案で最も興味深い点は、徴兵年齢の米国在住男性全員を、選択的徴兵制度に自動的に登録するという国防権限法案の改正だ。

これは、将来議会が戦争を宣言した場合、国内の 18歳から 26歳までの健常男性全員が徴兵される可能性があることを意味する。徴兵は連邦データベースの情報に基づいて行われる。

数十年にわたって米国で実施されてきた選択的徴兵制度は、これまでずっと任意制だったが、今回の改正により登録は自動となる。

この単なる「任意」制は 1980年から実施されてきたが、批評家たちは、登録するかどうかを若い男性自身に決めさせることで、登録者数が十分でなく、脆弱で非効率的な制度になっていると指摘していた。

この新たな議会の推進の背景について、さらに詳しくは、次の通りだ。

自動徴兵登録の提案は、選択的徴兵制度(SSS)が議会への年次予算要求の一環として始めたもので、クリッシー・フーラハン下院議員(民主党、ペンシルバニア州)が提案し、下院軍事委員会(HASC)議長のマイク・ロジャース氏(共和党、アラバマ州)が「心から」支持し、全委員会の口頭投票で反対意見なしに承認された。フーラハン下院議員の提案書は、 こちらで読むことができる

フーラハン議員は、これまで数年にわたり、徴兵登録を男性だけでなく女性にも拡大する提案を主導的に主張してきた一人だった。

クリッシー・フーラハン下院議員

wikipedia.org

徴兵登録は男性のみに自動的に行うというフーラハン議員の最新の提案は、彼女がいわゆるフェミニズムよりも軍事化に深く傾倒していることを示している。

最近、進行中のロシア・ウクライナ戦争に関連して、特に、より強力な徴兵制度の復活を求める軍事文書や報告書が増えている。

 

例えば、昨年、米国陸軍戦争大学の学術誌には、ウクライナで続く戦争から米軍がどのような教訓を得るべきかについての非常に不安を掻き立てる論文が掲載された。

論文には以下のように書かれている。

サブタイトル D-採用
第 531 条 選択的徴兵制度の自動登録

(a) 自動登録 – 軍事選択的役職法は、第 3条を削除し、次の新しい第 3 条を挿入することにより改正される:

「第 3条(a) (1) このタイトルに別段の定めがある場合を除き、18歳から 26 歳までの米国市民および米国に居住するその他の男性はすべて、選択的役職システムによりこの法律に基づいて自動的に登録されるものとする。

「(2) この条項は、移民国籍法の第 101条に基づいて非移民として合法的に米国に入国した外国人には、米国で合法的な非移民ステータスを維持し続けている限り適用されないものとする。

平均的なアメリカ国民にとって、陸軍大学のエッセイの中で断然最も懸念され、最も関連のある部分は、「死傷者、補充、再編成」と題されたサブセクションだ。

そこには 「大規模な戦闘作戦の兵力要件には、1970年代から 1980年代の志願兵力の再概念化と、部分的徴兵への移行が必要になる可能性がある」と直接述べられている。


 

ここまでです。

ただ、これは実施するには、いろいろと難しい部分が多いようで、すなわち、アメリカには移民が非常に多いわけですが、あと、トランスジェンダーなど「性別の問題」なども含めて、他のメディア記事には以下のように書かれていました。

米メディアの記事「米下院委員会、徴兵への自動登録を提案」より

…徴兵の「自動」登録は複雑で困難であり、場合によっては不可能である。徴兵年齢の個人が選択的徴兵制度に登録する義務があるかどうかは、出生時に割り当てられた性別と、米国市民でない場合は移民およびビザのステータスの両方によって決まる。

不法移民は選択的徴兵制度に登録することになっているが、外国人留学生や H-1 ビザ保持者の多くは徴兵年齢であり、合法的に何年も米国に住んでいることが多いため、一時的な「非移民」米国居住者とみなされる。

そのため、現行法では、彼らは選択的徴兵制度に登録する義務も許可もされておらず、徴兵の対象にもならない。

…自動徴兵登録は、徴兵資格のない個人の自動的な誤登録につながる可能性が高く、選択的徴兵制度データベースの実際の徴兵に対する正確性や有用性はさらに低下する。

ビザや移民ステータス、出生時の性別に関係なく、徴兵年齢の米国居住者全員を自動登録すると、徴兵資格のない留学生、H-1ビザ保持者、出生時に男性に割り当てられなかったトランスジェンダーやノンバイナリーの個人(出生時の性別に関係なく、性別のない X パスポートと社会保障口座記録を選択した人を含むと思われる)の数十万人が、徴兵が実施された場合に徴兵命令を生成するために使用される登録リストに追加されることになる。

peoplesworld.org

最近は、どの国でも「徴兵の復活」や「女性の徴兵制」を決める国が多く、ウクライナの徴兵の惨状を除いても、今年に入ってだけでも、以下のような報道をお伝えしています。

スウェーデンが完全な徴兵制度の再開へ
BDW 2024年1月23日

デンマークで女性の徴兵が開始されることに
BDW 2024年3月14日

ドイツが、18歳の男女全員に徴兵制を導入する可能性が高まる
地球の記録 2024年5月16日

英国がロシアと戦争になれば「英国内で徴兵制が必要となる可能性がある」と陸軍参謀総長が発言
地球の記録 2024年1月25日

 

そして、アメリカでも、「徴兵制の復活」の気配が高まってきたわけですけれど、今の米軍の兵員の数は、過去 80年で最低なんです。

こういう兵士不足の状況で、最近は非常にさまざまな戦争の気配が渦巻いている中では「徴兵」という言葉は、いつかは必ず出てくるものだとは思っていましたが、早ければ、2025年にも開始される可能性があるようです。

しかし、兵士の数が足りていないのは、アメリカだけではなく、どこの国も、あるいは日本も同じです。2022年12月のロイターの報道には、

> 自衛隊の応募者は過去 10年で 26%減少した。

とありまして、日本も兵員は減り続けているわけです。

少子化がずっと続いている日本では、自然に志望者が増えていく可能性はないでしょう。結局、軍力増強のために行う手段のひとつに「徴兵」があるというのは、今後の日本も同じだと思われます

今の日本の政府が国民のことをどのように考え「どのように扱っているか」を考えますと(コロナ渦中でさらに明らかになった次第ですが)、兵士になった日本の少年たちが、ウクライナの兵士たちのように使い捨てにされる光景がありありと浮かんできます。

ウクライナで、政権から次々と戦場に放り出され、次々と亡くなって、あるいは障害者となって帰国する若者たちの報道を読んでいますと、何とも切ないものもあります。

 

まあ……。

 

こういう徴兵制の復活などというニュースを気にするのは、私にも「徴兵年齢」の子どもがいるということもあるのですけどね。

ともあれ、世界戦争モードは 2025年に向けて、さらに進行中です。

マイコメント

日本でも年々自衛隊への入隊希望者が減っているようです。

https://www.ktv.jp/news/feature/230816jieitai/

2011年と比較すると半分近くまで減少している。
少子化の影響もあると思うが、平たく言えば国民は戦争を望んでいないということです。

しかし、自衛隊としては年々減り続ける志願者をそのままにしてはおけないだろう。
そういう点からも徴兵制が検討されているかもしれない。

しかしながら平和憲法の下では徴兵制は不可能なので実現しないと思うが、憲法改正に
よって自衛隊が軍隊と同じ定義にされた場合には徴兵制の復活もありえると思われます。

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