カマラ・ハリスが、トランプとの討論会に「カンペの持ち込み」を要求

スポンサーリンク
カマラ・ハリス アメリカ大統領選

カマラ・ハリスが、トランプとの討論会に「カンペの持ち込み」を要求

単独インタビューも受けられない「無能ぶり」がひどすぎる!

なぜカマラ・ハリスは何も語らないのか

民主党の大統領候補となったカマラ・ハリス副大統領が、自らの政策ビジョンを明確に語ろうとしない事態が続いている。

by Gettyimages

大統領候補指名を最終的に受諾した民主党大会の演説においても、ハリスはトランプ批判を演説の中心に置き、自らの政策ビジョンの具体的なありかたをあまり示さなかった。

反トランプ姿勢では、あきらかに事実に基づかない主張も交えながら、強いトーンで展開した。反トランプこそが彼女の存在意義であるのようにさえ見えるのだ。

例えば、トランプは避妊を制限し、全米レベルで中絶禁止に動くのだ、全国的な中絶反対コーディネーターを作り、女性の流産と中絶について報告するよう州に強制することを計画しているのだとハリスは主張したが、そんな事実はない。

トランプは全米レベルで一律に中絶に関するありかたを規定するのは誤りで、州によって伝統・文化・宗教観などに大きな相違がある中で、それぞれの州がそれぞれの州の実情に合わせた法律を作る自由があると語っているにすぎない。中絶をどの程度認めるのか、あるいは禁止するのかは、連邦レベルで決める必要はなく、各州が州のあり方に従って決めればいいとの考えだ。これは連邦最高裁が2年前に示した考えと同じ姿勢だ。

全米一律の中絶に関する規定を求めているのは逆に民主党の方で、中絶の権利を合衆国憲法上の権利として法制化するのだという方針を民主党は掲げている。

事実に基づくか基づかないかは別として、ハリスが中絶問題でトランプに対して攻勢に出ているのは、アメリカの抱える重要政策のほとんどにおいて、今の民主党のバイデン・ハリス政権はトランプ前政権ほどの評価を得ていないという事情がある。

バイデン・ハリス政権の惨憺たる4年間

国境を野放図に開放したバイデン政権のもとで、不法移民が凄まじい勢いでアメリカ国内に流入し、治安が悪化している。にもかかわらず、犯罪者を取り締まるのは間違っていて、犯罪者を生み出してしまう社会のあり方こそが問題なのだとして、民主党は犯罪者の取り締まりに甘い動きへと動いてきた。

こうしたことから国境政策や犯罪者取り締まりにおいて厳しい姿勢を示してきたトランプ政権に対する評価は、アメリカ国民の中では高いのだ。

バイデン政権の野放図な財政拡張と国内のエネルギー開発の抑制により、40年ぶりとも言われる記録的なインフレが引き起こされたことなどから、経済状態についてもトランプ政権期の方がよかったという判断が強い。

バイデン政権下で進められた、アフガニスタンからの米軍の計画性の感じられない撤退によって、アメリカの威信が大きく傷ついたと感じているアメリカ人は多い。トランプ政権の4年間は大きな紛争はなかったが、バイデン政権になってからウクライナへのロシアの軍事侵攻、ガザ問題を中心とした中東での不安定化など、安全保障環境も揺らいでいる。こうした面でもトランプ政権に対する評価はバイデン政権を上回っている。

 

こういう中で中絶問題は、トランプが一律の中絶禁止を主張しているという誤った前提の上でではあるが、バイデン・ハリスの民主党に支持が集まっている数少ないトピックとなっている。それゆえに、この問題を強調することで支持を得ようとする動きにハリス側は出ているのだ。

ハリスは経済政策においては、誰もが成功できる機会を提供する「機会の経済」を生み出すとし、雇用を創出し、経済を成長させ、医療、住宅、食料品などの日常的なニーズのコストを削減すると語ったが、問題はそれをどう実現するのかにある。

指名受諾演説ではこの具体像は明らかにしなかったが、現実に即して考えればハリスのこの政策は絵に描いた餅にしかならない。これについては後で具体的に述べる。

単独でインタビューを受けることも出来ないのか

実はハリスは民主党の大統領候補として事実上確定した後に、1ヶ月以上にわたってマスコミによるインタビューはおろか、記者会見すら受けてこなかった。

8月29日になってようやくCNNによる初インタビューを受けたが、この件をウォール・ストリート・ジャーナルは「ハリス氏、初インタビューに『松葉づえ』」との見出しで、否定的に扱った。ハリスは自分ひとりではインタビューに臨む自信がなく、副大統領候補のティム・ワルツを同席させたからだ。一人では歩行困難な自分を支えてくれる松葉杖として、ワルツを同席させ、インタビューで受ける負担を減らしたと見られているのだ。

しかも今回のインタビューは生収録ではなく、事前収録されたものがハリス側の要請によってかなり編集されたうえで公表されたものだ。おそらくは1時間程度収録された中で、その半分がカットされたものではないかと見られている。

このインタビューは、民主党に好意的だとみなされているニューヨーク・タイムズからも「ソフトボール」と揶揄されるほどゆるい質問ばかりだったのに、ハリスは明確な回答ができなかった。

そもそも、どんな大統領候補に対しても必ず行われる「大統領就任初日に何をしますか」という質問にも、彼女はまともに答えられなかった。苦し紛れに自分の経済計画を通じて中間層を支持するんだなんて話をしたが、それは就任初日に大統領令によって即実行できる話ではないだろう。

ハリスのちょっと長めの回答を聞いたうえで、司会者は「それで初日には何をするんですか?」と改めて尋ね、ハリスは「機会の経済」と自分が呼ぶものを実行するとし、日用品の価格を引き下げ、小企業に投資し、家族にも投資すると答えた。具体的には児童税額控除を6000ドルまで拡大し、手頃な価格で住宅が買えるような処置に取り組むと話した。ちなみにこの児童税額控除の拡大はトランプ側の政策のパクリなのだが、その点はよしとしよう。

ともかく、この大統領就任初日に何をするかに対するハリス側の回答については、トランプにめっぽう厳しく、民主党に対して極めて甘いポリティコというニュースサイトでも、議会で予算処置が求められるものは時間がかかるとの指摘がなされた。ポリティコは暗にその回答は就任初日に大統領令の発令によって行うこととして適当なものではないとたしなめたのだ。

まともな答を引き出せなかった司会者は副大統領候補のワルツに「あなたはどうなの?」と尋ねたが、ワルツもハリスの計画は素晴らしい、児童税額控除を拡張すると、子どもの貧困を3分の1に減らせるなどと話しただけで、結局司会者の求める回答とはならなかった。

成立しない文脈でしゃべるハリス

トランプ退任時には1.4%だった消費者物価上昇率が、バイデン政権になってから急激に上昇し、政権発足1年半後に9%を超えるところまで上昇したのだが、ハリスはこの高インフレをトランプのせいにしたうえで、自分たちが高インフレを退治して、インフレ率を3%以下にしたかのような話を行った。

これはバイデンの話しぶりを踏襲したものでもあるが、しかしこれが現実だと思うアメリカ国民はいないだろう。

シェールガス・シェールオイル開発で用いられるフラッキング(水圧破砕法)について、2020年の大統領選挙の候補者だった段階では、ハリスは禁止すると主張していたが、今はフラッキングを禁止しないとの立場にあることをインタビューで突かれた際には、ハリスはこの件に関して2020年に自分の立場を明確にし、2024年となった今でも立場を変えておらず、今後も変えることはない、自分は約束を守り、今後も守ると語った。

カマラ・ハリスに対しては「ワード・サラダ」という批判が以前からなされている。「ワード・サラダ」とは、文法的には正しくても、文脈上成立しない文という意味だ。フラッキング禁止からフラッキング容認に立場を変えたのに、自分の立場は2020年から一貫していて、今後も約束を守ると言っているのは、論旨としては全くつながらないワード・サラダだ。

まだ政策は明確になっていない

さて、正規の手続きを踏まずにアメリカに入国するのは、当然不法入国ということになるが、ハリスはこれを合法化することを2020年の大統領選挙の際には主張していた。この件について尋ねられた際には、ハリスは不法入国を取り締まる法律があり、問題に取り組むべきだと発言した。素直に取れば、国境管理はやるということになるが、それではこれまでのユルユルの国境管理に終始してきたバイデン政権のあり方と整合性は取れないことになる。

銃、麻薬、人間の不法売買をこれまで取り締まってきたとハリスは主張するが、そうするとバイデン政権のあのゆるい国境管理のあり方でも、十分な国境管理を行っている自覚でいるということなのだろうか。これまた何を言っているのかわからないワード・サラダになっている。

ハリスが自分がインド系であることを以前は強調していたのに、突然自分は黒人だと言い出したことは政治的ではないのかとトランプが噛みついている件について司会者が触れると、「使い古された手法の使い回しだ」とだけ答え、「次の質問をどうぞ」と続けて、正面切った反論から逃げた。

 

ここには彼女のやましさが示されており、大統領になるにふさわしくない弱さが表れたとも言える。

他にもいろんなことを語っているが、このあたりで止めておこう。はっきりしたのは、このインタビューによっても、ハリスの政策は明確になったとは言えないということだ。こんな人に大統領を任せられないと思った人も多いだろう。

このインタビューに対しては、民主党のオバマ政権のストラテジストだったデイビッド・アクセルロッド氏からも「あまりボールを前に動かせなかった」との否定的なコメントが寄せられた。

カマラの共産主義=カミュニュズム

ただし、ハリスの経済政策については、かなり具体的なものが示唆されるようになってきた。

まずは税制改革だが、富裕層に対して今後10年で5兆ドル(720兆円)の増税を計画する一方、貧困層・中間層には4兆ドル(576兆円)を超える減税を行うものとなっている。

個人所得税の現行の最高税率は、キャピタルゲイン税が23.8%、一部の事業所得税が29.6%、賃金にかかる税が39%となっているが、これを一律44.6%に引き上げるとしている。さらに純資産が1億ドル超の人に対しては、含み益にも課税するとしている。

法人税率は現在の21%から28%に引き上げられ、海外で得た利益に対する課税率も引き上げられるとのことだ。

これでは企業と富裕層の海外逃避が大いに進み、株式や不動産などの資産市場に壊滅的な打撃を与えることになるだろう。

こうした増税の成果を、貧困層・中間層に手厚く行き渡らせることを考えているのだが、マーケットメカニズムを理解していないことで、頓珍漢な政策になっている。

例えばハリスは住宅購入する人に、最大で25000ドルの頭金の補助を行うとしている。現在の価格は需要と供給のバランスが概ね取れているということになるが、ここに25000ドルの頭金の補助が行われれば、今よりも25000ドル高いところで需要と供給のバランスが取れることになってしまう。つまり住宅価格を押し上げる力として働くことになってしまうのだ。これでは財政の無駄遣いと言われても仕方ないだろう。

ハリスはまた、悪徳業者を追及して、食料品の不当な値上げを禁止すると表明した。

しかしこれは、バイデン政権のバラマキ経済政策の結果として起こった物価高騰の原因を、食料事業者の責任に転嫁する、実に不当なものだ。

しかもこうした価格統制政策は世界的に社会主義政権で採用されて何度も失敗に終わったものでもある。こちらもマーケットメカニズムをよく理解していない政策としか言いようがない。

こうしたことを受けて、最近「カミュニュズム」という造語が広がっている。これは「共産主義」を指すコミュニズムとカマラ・ハリスの「カマ」をつなぎ合わせた造語だが、左翼色の強いハリスの経済政策を的確に表現したものになっている。

なお、カマラ・ハリスは9月10日に予定されているトランプとの討論会で、カンペの持ち込みを要求した。自分の頭で考えて話せないタイプであるのは、この件からもわかるだろう。

私は8月9日公開の「実はいま、オバマが頭を抱えている…カマラ・ハリスのヤバすぎる『能力不足』と『政治音痴』」の中で、ハリスの無能ぶりを理解しているオバマが、ハリスを大統領候補から排除しようとして失敗したことを記した。

あと2ヶ月にわたって、ハリスの無能ぶりを隠し通すことはできるのか。9月10日には明らかになってしまうのではないか。徹底した討論対策が練られるのだろうが、それでもそういう不安が民主党上層部の中では広がっているだろう。

 

 

マイコメント

どことなく日本の総裁候補「小泉進次郎」と彷彿とさせないだろうか?
現段階では自民党は次の選挙で票を減らしたくないため小泉進次郎を次の総裁に選ぶ
のではないだろうかと思っています。
もし、そうなれば日米ともとんでもない政権になるだろうことは目に見えてます。

文中にある「成立しない文脈でしゃべるハリス」とあるように小泉進次郎もさほど
変わりがないように見えます。

もっとも誰が総理になろうとも政権の出す政策は大同小異であり中身は変わらない。
次の総理に期待しても裏切られるだけです。

それにしても茂木候補が財務省の反対を行く論調を貼ったことには少々驚きました。
総裁選向けのリップサービスなのか本気なのかわかりませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました