ブレーンに迎える竹中平蔵に完全破壊される日本経済のお先真っ暗
進次郎と組んで日本経済を破壊か。竹中平蔵が純一郎と犯した大罪
もうすぐ自民党の総裁選が行われますね。
あの小泉純一郎氏の息子である小泉進次郎氏が、総裁選に出るという事で話題になっています。
そしてこともあろうに、小泉進次郎氏は、経済政策のブレーンとして竹中平蔵氏を迎え入れることを公約にしているのです。
竹中平蔵氏は、ネットでは相当に嫌われており、「日本に貧困と格差をもたらした」と認識されています。
が、まだ竹中平蔵氏のことをよく知らない人も世の中にはたくさんおり、また小泉内閣の経済ブレーンだったので「有名な偉い経済学の先生」と思っている人も多いようです。
なので、前回からの続きでもありますが、竹中平蔵氏はどんな経済政策をした人なのか、その経済政策の何がダメだったのかを、今一度確認したいと思います。
竹中平蔵氏の経済政策の最大の失敗は、「日本の雇用を壊したこと」です。
竹中平蔵氏はかねてから「日本では正規雇用者をなかなかクビにできない」「だから雇用の流動化が進まない」と主張していました。
現在も、このことは変わらずに主張しています。
そして竹中平蔵氏は、この主張に沿った経済政策を行なったのです。
派遣労働関係の法律を大幅に変えて、非正規社員を激増させたのです。
その結果、日本ではまともに働いても食っていけない、いわゆる「ワーキングプア」が激増し、国民の間に深刻な経済格差が生まれたのです。
竹中平蔵氏が言うように、「日本では正規雇用者をなかなかクビにできない」「だから雇用の流動化が進まない」というのは事実ではあります。
日本の労働法では、欧米などに比べて正規雇用者はなかなか解雇できません。
それが企業にとっては負担になっている部分も確かにあります。
が、その一方で、日本では「正規雇用」じゃないとまともに食っていけないという現状があります。
失業保険は原則として最長1年です。
失業して1年経てば何の補償もなくなるのです。
これ以上の生活保障を受けようとなると、非常にハードルの高い生活保護しかないのです。
欧米諸国では、こんなことはありません。
欧米諸国では失業保険と連動して様々な生活扶助制度があります。
どうしても職が見つからない場合は、生活保護につながる制度もあります。
だから欧米諸国では失業率が高くても、自殺率などはそれほど高くはありません。
しかし、日本では失業がそんまま生活破綻につながりやすいので、リストラが行われると自殺率が跳ね上がるのです。
だから日本ではバブル崩壊以降、自殺率が跳ね上がり、小泉内閣の時代もずっと高止まりしていました。
ポンコツ経済学者・竹中平蔵が知らなかったこと
また日本では、正規雇用と非正規雇用の間の賃金や待遇の差が非常に大きく、正規雇用じゃないと食っていけないという現実があります。
社会保険などの保障関係も、正規雇用と非正規雇用では大きく違いました。
欧米諸国ではそんなことはありません。
欧米諸国では、非正規雇用も正規雇用に近い待遇が受けられるので、非正規雇用であっても暮らして行ける人が多いのです。
日本でもようやく最近になって非正規雇用の賃金や待遇を上げる法律ができたりしていますが、まだまだ差は大きいのです。
しかも小泉内閣の時代は、今よりもっと非正規雇用の待遇は悪かったのです。
つまりは、竹中平蔵氏の経済政策は、まともなセーフティーネットもないまま、待遇の不安定な人たちを大量に増やしたのです。
竹中平蔵氏は、「欧米に比べて日本の正規雇用はなかなかクビにできない」ということは知っていても「欧米に比べて日本の非正規雇用は著しく待遇が悪い」ということは知らなかったようなのです。
だから、竹中平蔵氏の経済政策によって、ワーキングプアが大量発生してしまったのです。
竹中平蔵氏が、経済学者としていかにポンコツか、ということなのです。
小泉内閣時代に大企業優遇・中小企業切り捨てに着手
竹中平蔵氏の経済政策のもう一つの特徴として、「大企業優遇」「中小企業切り捨て」というものがあります。
前回のメルマガにも書きましたが、竹中平蔵氏は「日本には中小企業が多すぎる」という持論を持っていて、中小企業を大幅に減らそうと考えています。
そして竹中平蔵氏は、小泉内閣時代にすでに、大企業優遇、中小企業切り捨ての政策に着手していました。
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たとえば、竹中平蔵氏は「投資組合制度の改悪」により中小企業の資金調達を阻害しました。
投資組合というのは、民法上で言うところの「組合」です。
投資家同士が組合を作り、お金を集めて運用するというものです。
投資会社とどこが違うかというと、投資組合は利益を出しても税金がかからないのです。
投資の利益が出資者に還元されたとき、出資者にだけ税金がかかるのです。
投資組合には税金はかからないので、投資組合は利益が出ればその分をすぐに次の投資に回せるのです。
この投資組合というのは、もともと中小企業など資金調達が難しい企業が、資金を調達しやすくするために儲けられた制度なのです。
中小企業というのは、上場企業のように証券市場で株や社債を売って資金を調達するようなことはできません。
欧米では、大企業ではなくても見込みのある事業には投資をするという文化があり、中小企業でも比較的資金が集まりやすいのですが、日本ではあまりそういう文化はありません。
日本では経営者が自分の信用で金融機関などで資金調達することがほとんどだったのです。
それでは、なかなか新しい事業や新しい企業が芽を出すことは難しいです。
そこで平成10年に投資事業有限責任組合法という法律が作られ、「投資組合」によって税金があまりかからずに中小企業に投資できるようになったのです。
つまり当初、投資組合は、中小企業を育てるための投資機関として作られたのです。
予想通りの単なる「投資家に対する大減税政策」に
しかし小泉内閣の時代の平成16年4月に投資事業有限責任組合法は改正され、中小企業だけではなく、上場された大企業にも投資できるようになったのです。
中小企業への投資という建前は失われ、投資組合の性質は、投資会社と同じようなものになったのです。
その一方で、投資組合に税金はかからないという特権は残されました。
「中小企業の資金調達のため」という当初の目的は完全に失われ、ただの「投資家に対する大減税政策」になってしまったのです。
もちろんこういう法改正があれば、中小企業に向かおうとしていた資金は、大企業に流れます。
そして機転の利く投資家たちは、こぞってこの投資組合を作りはじめました。
村上ファンドやライブドアが投資組合を作っていたのも、このためです。
なぜ、この改正が行われたのかというと、小泉内閣が行ってきた規制緩和、投資家優遇政策の一環ということです。
そして投資組合というのは、税法の抜け穴をついたものです。
企業が投資を行ったり他企業の買収を仕掛けて利益を得た場合、多額の法人税がかかります。
しかし投資組合を使えば、この多額の法人税を払わずに済むのです。
村上ファンドやライブドアは企業買収で、数千億、数百億の利益を上げました。
普通の企業だったらその半分は税金でもっていかれます。
でも投資組合には、税金がかからないので儲けた金をそのまままた次の投資に使うことが出来たのです。
投資家の税金を大幅に安く。小泉政権の「株主優遇制度」
またこのメルマガでも何度か触れましたが、竹中平蔵氏は、投資家の税金を大幅に安くしました。
以前、株主配当の税金は、他の所得と同様に累進課税制度になっており、多額の配当をもらっている人は、他の所得の人と同様に多額の税金を納めていました。
しかし、小泉内閣の時代の2003年の税制改正で、「どれほど多額の配当があっても所得税15%、住民税5%の税率だけでいい」ということになったのです。
しかもしかも、この安くなった投資家の税金を、小泉内閣はさらに引き下げました。
時限的ではありますが、2003年から2008年までの特別措置として投資家の税金は本来の半分の10%に免除されました。
また特定の期間に株の売買をした場合、税金をかけない、という時限立法も作りました。
つまり、投資家は一定期間、所得税が免税されたのです。
株主優遇制度はそれだけにとどまりません。
これも小泉内閣時代の2002年に、商法が改正され、企業は決算が赤字でも配当ができるようになったのです。
それまでは各年の利益から配当が払われるのがルールだったのですが、この改正により、その年は赤字でも、過去の利益を積み立てているような会社は、配当ができるようになったのです。
このため、会社は赤字でも毎年配当をすることができるようになったのです。
この結果、上場企業は、株式配当を激増させ株価も上昇しました。
小泉内閣の時代というのは、投資家天国の時代だったのです。
竹中平蔵氏の経済政策というのは、人々の生活を豊かにしたり、中小企業にチャンスを与えることで経済を着実に成長させようというのではなく、手っ取り早く大企業の業績を上げ、株価を上げることで、経済が良くなったように見せかけるというものです。
だから小泉内閣の時代には、トヨタなど史上最高収益を上げた企業が続出し、「いざなみ景気」と呼ばれ、好景気の史上最長記録を更新したりもしましたが、国民の平均賃金は下がりっぱなしで貧しくなるばかりで、中小企業は減少し続けていたのです。
最近ネットでよく言われる「今だけ金だけ自分だけ」という風潮をつくったのは竹中平蔵氏の経済政策だと言えるのです。
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