日本だけ危機感ゼロ。第三次世界大戦に備える欧米とロシア

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EU 戦争

日本だけ危機感ゼロ。第三次世界大戦に備える欧米とロシア

2025年1月20日までに最悪の事態を想定すべき理由=高島康司

ウクライナの状況が緊張しており、第三次世界大戦の危険性さえもささやかれている。しかし、日本ではその深刻さがほとんど報じられていない。欧米で高まる危機感、ロシア・NATOの緊張、そしてバイデン政権の動向についてお伝えする。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)
高島市の予測はかなり的中率が高いので要注意です。

日本では危機感が薄い第三次世界大戦の予感

ウクライナ戦争の状況が悪化し、第三次世界大戦の危機がささやかれるようになった。この状況を詳しく紹介したい。

なぜか日本ではほとんど報道されていないので危機感は非常に薄いが、欧米の専門家の間ではトランプが大統領に就任する来年の1月20日までに、バイデン政権は大戦争の引き金を引くのではないかという危機感が強まっている。

筆者は、バイデン政権の外交政策に批判的な専門家や高官のチャンネルを見ているが、想像を越えた緊張が走っている。

それらの人々は、トランプの個人的な法律顧問であった元ニュージャージー州最高裁の判事、アンドリュー・ナポリターノ、元国連の核査察官のスコット・リッター、シカゴ大学教授のジョン・ミヤシャイマー、コロンビア大学教授のジェフリー・サックス、前トランプ政権の国防長官上級顧問のダグラス・マクレガー大佐、CIA分析官のラリー・ジョンソン、国務長官の補佐官だったローレンス・ウィルカーソン大佐などの人々だ。これ以外にも、米軍や情報機関、そして国防総省や国務省の元高官が大変な危機感で現状の危うさを訴えている。

また、ウクライナ軍の元総司令官で現在は駐ウクライナ大使のザルジニー将軍も「第三次世界大戦は2024年に始まったとみなすことができる」と発言している。

このような危機感は、日本では不思議なくらいまったく報道されていない。どうも中国や韓国でも危機感が薄いので、東アジア圏では対岸の火事として見られているようでもある。

バイデン政権の長距離ミサイル使用許可

この危機感の高まりの引き金になったのは、11月19日にバイデン大統領がウクライナに与えた長距離ミサイルの使用許可であった。

これまでバイデン政権は、ロシアを過度に刺激し、戦争を拡大させる恐れから、ロシア国内を攻撃可能な長距離ミサイルの使用許可をウクライナには与えていなかった。それが、ウクライナ戦争の支援に消極的で早期の和平を主張するトランプが大統領選に勝利したことを受け、ウクライナ戦争の継続を狙って長距離ミサイルの使用を許可したのだ。

これを受けてウクライナは、早速射程距離が300キロの長距離ミサイル、「ATACSM」をロシアのブリャンクス州の軍事施設に向けて発射した。また、イギリスも同様に射程距離250キロの巡航ミサイルの使用を許可し、ウクライナはこれを使用した。

さらに、11月26日にはウクライナは「ATACSM」でロシア、クルスク州の航空基地を攻撃した。

ロシアの新兵器ミサイル

このような状況にロシアは強く反応した。プーチン大統領はロシアの核ドクトリンを改め、核兵器使用の基準を緩和した。

しかし、欧米の専門家の第三次世界大戦への危機感を強めているのは、11月21日にロシアが行った新型ミサイルによる攻撃だ。これは、「オレシュニク」という極超音速のミサイルだ。ウクライナ東部の都市、ドニプロにあるドローンとミサイルの製造工場が攻撃された。ちなみに「オレシュニク」は速度はマッハ11で、現行のどの迎撃ミサイルシステムでも打ち落とすことは不可能だとされている。

このミサイルがどのようなものなのか、日本では報道されていない。

しかし、元国防次官補のスティーブン・ブライエン他の兵器専門家による分析から、このミサイルの実態が明らかになってきた。これは想像を越える新型兵器であった。「オレシュニク」はMIRVと呼ばれる多弾頭ミサイルである。

「オレシュニク」にはそれぞれ6発の弾頭を格納した6つのパッケージが搭載されている。それらの36発の弾頭は、それぞれ別な標的を攻撃できる。「オレシュニク」とはこのようなミサイルだ。

オレシュニクが搭載する「アヴァンガード」

むろん、「オレシュニク」には核弾頭も搭載可能だ。日本の主要メディアでは、欧米が保有していないマッハ11の極超音速ミサイルで核攻撃する能力をロシアがあることを脅威だとして報道している。

たしかに、これは間違いない。しかし、欧米の兵器の専門家は「オレシュニク」の本当の脅威はこうしたことではないと考えている。多弾頭の「オレシュニク」に搭載された弾頭は、「アヴァンガード」と呼ばれる新兵器なのだ。これは弾頭というよりも、ミサイルと呼んだほうがよいものだ。「オレシュニク」から発射された「アヴァンガード」は、なんとマッハ22の速度で目標に落下する兵器だ。

そして、特徴的なことは、「アヴァンガード」には爆発物が搭載されていないことだ。下は「アヴァンガード」がドニプロの軍事施設を攻撃した際の動画だが、一般のミサイル攻撃のような爆発が見られない。攻撃目標にはフラッシュのように光るだけである。

スティーブン・ブライエンのような兵器専門家は、「アヴァンガード」はマッハ22の速度で落下する衝撃波で目標物、ならびに周辺の施設を破壊する非常に新しいタイプの兵器だとしている。いわばこれは、小惑星が地球に衝突するような原理だという。

また、マッハ22で落下する「アヴァンガード」は、地下の目標も破壊可能だ。大抵、核兵器を搭載した大陸間弾道弾の発射基地は、地上からの攻撃の防御から地下深くに設置されてるが、「アヴァンガード」はこれらの基地も破壊可能である。さらに、「オレシュニク」の射程距離から見て、ヨーロッパにあるすべてのNATO軍の基地を破壊できる能力があるとされている。

欧米の反応、大戦争の準備

このような「オレシュニク」と、それが搭載した「アヴァンガード」に対する欧米の反応はかなり凄まじい。大戦争への準備が始まったかのようだ。

まず、フランスのジャンノエル・バロ外相は23日に公開された英BBCのインタビューで、ロシアによる侵略を受けるウクライナへの支援について、「レッドライン(越えてはならない一線)を引くべきではない」と述べ、フランスがウクライナに供与した長射程兵器のロシア領内への使用を容認する方針を示した。フランス政府が容認を明言するのは初めてだ。

さらに、フランスの有力紙「ルモンド」は、フランスとイギリスが、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナへの軍隊や軍事企業の関係者の派遣について、議論していると報じた。NATO軍のウクライナ派遣があるかもしれない。

それだけではない。NATO諸国が大きな戦争への準備を本格的に開始したようだ。

まずドイツだが、ドイツが攻撃の際に民間人を避難させることのできるバンカーやその他の地下施設のリストを作成していると発表した。また、攻撃があった場合に国民が緊急避難所を見つけるのを助けるアプリをリリースする予定だ。これは、国民が携帯電話アプリを使ってすぐに見つけられるように、バンカーや緊急避難所のデジタルディレクトリが作成される。

さらにオランダのロブ・バウアー提督は24日にブリュッセルで演説し、 NATO加盟国はロシアや中国などの国々からの脅迫を受けにくくするために生産・流通ラインを調整する必要があると警告した。

ロシア反応

一方ロシアも、ロシアとNATOが対峙する大戦争に備えるような反応をしている。

ます、11月20日の攻撃では英国の「ストームシャドウミサイル」が使用されたとされ、ロシアの最高司令官ヴァレリー・ソロドチュク中将と北朝鮮兵士500人が死亡した。 駐英ロシア大使は、ウクライナがロシア領土で「ストームシャドーミサイル」を使用したことは、英国が「今やこの戦争に直接関与している」ことを意味すると宣言した。

そしてロシアは、核爆発による衝撃波や放射線など、さまざまな脅威から身を守ることができる移動式爆弾シェルターの量産を開始した。

緊急省の研究機関は、「KUB-M」シェルターは、あらゆる自然災害や人為的災害に対して48時間保護できると述べた。その中には、通常兵器による爆発や破片、建物からの破片の落下、危険な化学物質や火災などが含まれている。

「KUB-M」は強化された輸送コンテナのような外観で、54人用の部屋と技術ブロックの2つのモジュールで構成されている。必要に応じてさらにモジュールを追加できる構造になっている。

ロシアの攻撃対象はポーランド

では、NATOとの戦争が始まったとき、どこがロシアの攻撃の対象になるのだろうか? それは、ポーランドになる見込みだ。

ロシア国営通信社「タス」の報道によると、ポーランドにある米軍のミサイル防衛基地はロシア軍による「潜在的無力化」の優先目標とみなされているとした。

「西側諸国の軍事施設がもたらす脅威のレベルを考慮すると、ポーランドのミサイル防衛基地は長い間、潜在的に無力化すべき優先目標の一つに挙げられてきた。必要であれば、これは幅広い先進兵器を使って達成できる」と外務省報道官マリア・ザハロワは「タス通信」に語った。

ポーランド北部のこのミサイル防衛基地には攻撃用の兵器はなく、純粋に防御の目的で使用されている。基地はポーランドの「レジコボ」にあり、ロシアの飛び地、「カリーニングラード」から約150キロ離れている。同基地は開設されたばかりだが、「北大西洋条約機構(NATO)」が正式に管理権を取得している。

当時の大統領バラク・オバマは、2009年に米国のミサイル防衛システムの一環としてこの基地の運用を開始し、2016年に建設が開始された。これはポーランドにおける米軍初の恒久的な基地である。

プーチン大統領は2024年3月にこの施設について懸念を表明し、欧州のシステムが自国の戦略的抑止力を脅かしていると発言した。ロシアがNATO軍の軍事施設の攻撃を開始すると、ここが最初の標的になる可能性が高い。

2025年1月20日までがもっとも危険

ロシアとNATOとのこうした激しい対立は、ウクライナ支援に消極的で和平の実現に積極的なトランプが来年の1月20日に大統領に就任すると、緩和する可能性が高い。

一方、ロシアを押さえ込むためにウクライナ戦争を継続し、アメリカ覇権の永続的な維持を目標にするネオコン系のバイデン政権は、トランプの大統領就任前にウクライナ戦争を後戻りできない状態に固定化したい。これを実現するために、1月20日までにバイデン政権は戦争の引き金を引くような行動に出るかもしれないと恐れられているのだ。

残念ながら、この危機感は日本では報道されることはないようだ。

トランプの熱烈な支持者で圧倒的な人気の元「FOXニュース」のキャスター、タッカー・カールソンは、トランプの敵対者たちが、1月の大統領就任前に世界戦争を起こそうとしていると主張しているとして、次のように語った。

「彼らが気にしているのは、海外で権力を行使すること、つまり、自分たちが神のように感じるために人を殺すこと、そして金儲けだ。そして、そこに何兆ドルもの金があるのだ。

『ディープ・ステート』は、トランプが彼らの秘密を暴露することを本当に恐れている。これまで彼らはトランプを法的に告訴し、また2回暗殺しようとして失敗した。そこでいま、彼らは、戦争を拡大してトランプとトランプ政権がもたらす秘密の暴露を阻止する唯一の方法としている」

1月20日のトランプの大統領就任まで、かなりの危機が起こる可能性は決して否定できない。本当に注視すべきだろう。

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マイコメント

今やウクライナとロシアの戦争はNATO・米国対ロシアへと変貌を遂げつつある。
ウクライナがどれだけの攻撃を加えても倒れないロシアに脅威を感じたのか最近では
イギリス・ドイツ・フランス・米国の兵器供給が公然と行われるようになり一層戦禍
を激しくさせています。

高島氏の言うようにこのまま行けば来年1月20にトランプ大統領就任までにDSが
何らかの動きを見せ、それにより本格的な第3次世界大戦に発展する可能性が高く
なってきました。

日本国民は今のところ対岸の火事のように見ていますが、岸田総理が訪米したときに
米国から中国と戦争するよう命令されたことからも、日本も戦争に巻き込まれる可能
性が高くなってきています。
岸田総理が総裁選に出馬しなかったのも戦争を始めた総理として記録が残るのを恐れ
たのかもしれませんね。

日本の首相が変われば岸田氏は表に出なくていいので約束もなかったことに出来ると
考えたのでしょうか?

もし、米国がロシアとの戦争に参入することになれば、台湾有事の際に米軍を投入
出来る余裕がなくなるので、日本が中国と対峙しなければならなくなります。

しかし、だからと言って不安になり恐れていてもどうにもなりません。
もし、そういう未来を体験したくなければそうした不安を忘れてしまうことです。
そうすればタイムラインが変わり、日中戦争を回避できた未来を体験できるでしょう。


コメント

  1. マリー より:

    欧米は第三次世界大戦の危機感を感じてるようです。日本だけ危機感ゼロです。日本は外国から、侵攻される事も、紛争に巻き込まれる事はありませんでした。日本が空襲で目の前にミサイルが落ちて来ない限り、危機感を持つ事がないらしいです。日本だけ異世界にいるような感じがします。すごく怖いですが、この記事にあるように怖がらないよう不安を忘れるようにします。回避出来るよう願ってます。

    • hide229406 より:

      マリー 様

      日本だけ危機感がなくて異世界にいるような感覚を感じるならば
      そのままでいいです。
      その方が戦争に巻き込まれません。
      もし、国民が危機感を持ち始めたら確実に戦争に巻き込まれます。

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