《オンラインカジノ問題》「禁錮4年9ヵ月」の水原一平もハマった「スポーツ賭博」が日本の高校生にもまん延する「ヤバすぎる未来」

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オンラインカジノ 社会問題

《オンラインカジノ問題》「禁錮4年9ヵ月」の水原一平もハマった「スポーツ賭博」が日本の高校生にもまん延する「ヤバすぎる未来」

高校生からさらに低年齢化する傾向にあるオンラインカジノ

ギャンブル依存症が世界的な問題になっている。中でも深刻なのがスポーツ界、芸能界、そして一般社会にまで入り込むオンラインカジノだ。

前編記事『《水原一平に禁錮4年9ヵ月》吉本興業の人気芸人も事情聴取…!世界を蝕む「オンラインカジノ」と「ギャンブル依存症問題」』に引き続き、その恐ろしさについて専門家に聞いた。

無料版から始めてハマっていく若者たち

ドジャースの大谷翔平投手(30歳)になりすまし、口座からカネを盗んだ銀行詐欺などの罪に問われていた元通訳・水原一平被告(40歳)の裁判で、2月6日(日本時間7日)に量刑が言い渡された。

米カルフォルニア州連邦地裁は求刑通りの禁錮4年9ヵ月年を言い渡した。今後、水原被告はアメリカの刑務所に収監される。

水原被告(Photo by Gettyimages)

一連の水原問題で注目されたのが、スポーツ賭博だ。

スポーツ賭博を含むオンラインカジノの問題が世界的に深刻だ。スポーツ界、芸能界だけではなく、一般社会にもまん延しており、専門家らは警鐘を鳴らす。

ギャンブル依存症の問題などに取り組む公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は次のように訴える。

「オンラインカジノは“違法である”ということが社会で浸透していないことが問題を大きくしているんです。最近、オンラインカジノが違法だとは知らなかった、という若者たちからの相談が相次いでいます」

オンラインカジノは24時間いつでも賭けができる。スマホ1台があれば、どこでもいつでもギャンブルに興じることができるため最初は無料版から始め、徐々にハマっていき、最終的には課金をする流れに陥るパターンが頻出しているのだ。

そのため、気が付いたときには深刻なギャンブル依存症状態になっている。

ギャンブル依存症の行きつく先は犯罪行為

だが、若者たちのクレジットカードの限度額はたかが知れている。そのため、被害は周囲に及ぶと田中さんは訴える。

「友達から数百万単位でカネを借りたり、親のクレジットカードを使用したり、ネットバンクから勝手に何百万も引き出したり。借金を繰り返し、最終的に闇金でカネを借りる若者もいます」(前出の田中さん、以下「」も)

闇金や個人間の借金の場合、自己破産することができない。返済を追い詰められて、最終的に犯罪に行きつくケースもある。

「私たちの団体でギャンブル依存症者の当事者を持つ家族681人にアンケートを取ったことがあります。当事者に『犯罪行為があったか』と尋ねたところ30%である230人が『あった』と回答しています。依存症者の3人に1人は犯罪に結びついているんです」

アンケート結果によると最も多かったのが横領。続いて窃盗、そして闇バイト、商品の売り飛ばし、と続いた。闇バイトの内訳の中には強盗を働いた当事者もいたという。

顧客の貸金庫から総額16億円以上ともみられる金品を奪取した窃盗の疑いなどで逮捕された今村由香理容疑者もその一人だ。

今村容疑者は2008年にFXや競馬にのめりこみ、2013年に約700万円の負債を抱えて自己破産した。この時はFXや競馬を辞めているが、その翌年には再開し、借金を重ねていた。

投資やギャンブルでできた損失の穴埋めをするために盗みを繰り返していたのだ。

 

パチンコを打ちながらスマホでカジノ

ギャンブル依存症は気付かれにくいため、周囲が問題を把握するころには大きな負債を抱えているケースがほとんどだという。

「水原さんも大谷選手の通訳をして、大谷選手やチームメイトと四六時中一緒に過ごしていても気付かれなかった。会社員だったり、お父さん、お母さんだったり、みんな普通の人なんです。金額は異なりますが、水原さんと同じようなことは国内のいたるところで起こっているんです」

田中さんたちのもとに寄せられる、当事者やその家族からの相談でオンラインカジノに関する内容は増えている。

「依存症は一日ではなりません。ちょうど今、ギャンブル依存症を自覚して相談に訪れる人の多くは、コロナ禍のときにギャンブルを始めた人です。
ただ、自覚はあっても相談に来ていない人のほうが圧倒的に多い。ギャンブルは根が深い問題です。少子化の我が国で若者たちの未来がギャンブルによって奪われているんです。
これまでのギャンブル依存症といえば、社会人になってからでしたが、今は若い世代も多く、大学生もいます。パチンコを打ちながらスマホでオンラインカジノ、という若者も珍しくありません」

また、自覚しても回復するには一人の力では不可能だ。辞めようと思っただけでは辞められない。

それがギャンブル依存症の恐ろしさでもある。

 

ギャンブル業界に忖度する政治家たち

「一人の力で誘惑と戦うのは難しい。私たちの団体でも、ブロッキングアプリなどを提供していますが、それだけでは今の時代は不可能なのです。ギャンブルは違法であることを啓発すると同時に、ギャンブル依存症は一人では辞められない病気であることも周知していく必要があるんです」

気合や根性などの精神論では解決できない。ギャンブルから抜け出すためには支援につながりながら、サポートしてくれる人々と戦い続けなくてはならない。

「必要なのはギャンブルをしたくなったとき、すぐに話せる仲間です。これは誰でもいいというわけではありません。心配かけてしまうかも、と思うため家族には正直に話せません。そのため、私たちみたいなピアサポート団体や自助グループなどにつながり続けていくことが重要です。
国をあげてこうした対策を強化してもらいたいですが、遅々として進みません。これはギャンブルに対してすごく甘く考えているからです」

それどころかギャンブル問題に関する予算は削られる一方だと田中さんは憤る。

「ギャンブル産業に忖度している議員がたくさんいます。これだけ社会にまん延しているんですから、ギャンブル依存症対策費を増やし、啓発や予算に力を入れ、違法のオンラインカジノについては厳罰化する必要があります」

海外のシンクタンクが調べたデータによると、日本のオンラインカジノ市場は2023年に約77億米ドル、日本円で約1兆1657億円にあたる収益が出ているという。これは競輪とほとんど変わらない売り上げだ。

違法なオンラインカジノに莫大なカネが動いている。

 

高校生、さらに低年齢化が進む可能性も

「オンラインカジノだけではありません。かつては『おっさんがやるもの』という印象を持つ人が多かった競輪や競艇も若者がどんどん夢中になっています。理由はスマホから賭けられるからです。
現地に行かなくても賭けができれば、そのハードルは一気に下がる。
なにより、それらのギャンブルは若者たちにとって、スポーツ感覚なんです。
スポーツを応援するような気持ちで賭け事をする。そこからのめりこんでしまうんです。スポーツとギャンブルが結びつくと危険なんです」

今、田中さんらが懸念しているのはギャンブル依存症の低年齢化だ。

実は高校生から相談を受けることもあるという。

「特に危ないのが水原被告らもハマっていた『スポーツ賭博』です。これには若い子たちも夢中になっているんです。
高校生は部活などで自分もスポーツをしているし、好きなスポーツやチームがいる子も多い。見るのも好きで、好きな選手もいる。そこに賭けが加わると、さらに夢中になり、ゲーム感覚でのめりこんでしまう。
オンラインカジノは今後、国が一刻も早く手を打たなければ、高校生にもまん延すると思います」

ギャンブルは老若男女、性別も年齢も問わず誰でも依存症になる危険性がある。

「自分は関係ない、と思っても巻き込まれる危険もあるんです。
上司や同僚から『おカネを貸してほしい』とお願いされるかもしれない。今は家族の誰もギャンブルをやっていなかったとしても、お子さんが大学に入ったときにギャンブルが好きな友達ができるかもしれない。彼氏の影響で娘さんが始めるかもしれない。
また、もしかしたら黙って借金を作っている家族がいるかもしれない。他人ごとではないんです」

手軽にできるからこそ危険なオンラインカジノ。逮捕される可能性のある違法なゲームであることを改めて認識したい。

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