mRNAワクチンとはまったく関係ない話ですが、「遺伝子操作されたタンパク質により遠隔操作で脳と行動をコントロールすることに成功した」という2016年のネイチャーの論文をご紹介します
概要
今回のIndeep氏の記事は磁性体と結合させたあるたんぱく質を脳内に注入して外部から磁気を加える(現時点では5Gがそうです)と行動のコントロールが可能になったというお話です。しかも、この話が2016年のうちに発表されていたというものです。
以前紹介したようにコロナワクチンを摂取した人の腕にコインがくっつくという話やスマホのブルートースの代わりになるみたいな話からすると、ワクチンには何らかの磁性体粒子が含まれている可能性が出てきます。
ただ、これは他国の話で日本ではないようなので日本のコロナワクチンは成分が少し異なる可能性もありそうです。
それにしても、これが実際に悪用されたら数十年後の世界はとんでもないことになっているかもしれませんね。
遺伝子操作されたタンパク質「マグニート」が脳と行動を遠隔操作
科学の進歩に酔いしれる。そして悪酔いも
最近は、ワクチンの話が多いですが、今回は少しワクチンを離れて、科学の話をさせていただきたいと思います。
「遺伝子操作されたタンパク質によって、生物の脳と行動を遠隔操作できる」
ことを示した(うっひょー) 2016年の論文です。
しかも、「生体に手術をすることなく、《その成分を注入するだけ》で、生物の「脳」も「行動」も《遠隔操作で》コントロールができるようになった(うっひょー、科学の進歩)というものです。
その研究の内容を、英国ガーディアンが説明していた記事をご紹介しますが、論文は科学誌ネイチャーに発表されたもので、以下にあります。
Genetically targeted magnetic control of the nervous system
神経系の遺伝的標的磁気制御
「 2016年にはこういうことができていたんだなあ」と感慨深く記事を読ませていただきました。
いろいろなことに応用できる上に、さまざまな用途が広がる夢のある話ですよね。
まずは、その記事です。
遺伝子操作されたタンパク質「マグニート」が脳と行動を遠隔操作
Genetically engineered ‘Magneto’ protein remotely controls brain and behaviour
Guardian 2016/03/24
アメリカの研究者たちが、遺伝子工学を使用して、離れた場所から神経細胞の特定のグループを活性化する磁化タンパク質を作成することにより、複雑な動物の行動に関連する脳回路を制御する新しい方法を開発した。
脳がどのように行動を起こすかを理解することは神経科学の究極の目標の 1つであり、最も難しい問題の 1つでもある。近年、研究者たちは、特定のニューロンのグループをリモートで制御し、ニューロン回路の働きを調べることを可能にする多くの方法を開発してきた。
これらの中で最も強力なのは、「オプトジェネティクス」と呼ばれる方法だ。
これにより、研究者たちは、レーザー光のパルスを使用して、ミリ秒ごとのタイムスケールで関連するニューロンの集団を、オンまたはオフに切り替えることができるようになった。
ケモジェネティクス(化学遺伝学的手法)と呼ばれる別の最近開発された方法は、デザイナードラッグ(同じような機序を目的として薬物の分子構造を組変えたり等の医薬品設計を行った向精神薬)によって活性化され、特定の細胞型を標的とすることができる操作されたタンパク質を使用する。
これらは強力な方法だが、これらには両方とも欠点がある。
光遺伝学は侵襲的(手術など生体に手を加える必要があること)であり、光パルスを脳に送達する光ファイバーの挿入を必要とし、さらに、光が高密度の脳組織を透過する程度は厳しく制限されている。
化学生成アプローチにより、これらの制限の両方を克服することができるが、通常、神経細胞を活性化するための生化学反応を誘発するには数秒かかる。
米バージニア大学の研究室で開発され、科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスに掲載された新しい技術は、非侵襲的(生体に手を加える必要がないこと)であるだけではなく、ニューロンを迅速かつ可逆的に活性化することもできる。
いくつかの初期の研究は、熱と機械的圧力によって活性化される神経細胞タンパク質が、フェリチンと呼ばれる鉄貯蔵タンパク質、あるいは無機常磁性粒子(磁性を持つ無機物の粒子)に付着することによって、電波と磁場に敏感になるように遺伝子操作できることを示している。
これらの方法は、この分野の重要な進歩を示しており、たとえば、マウスの血糖値を調節するために、すでに使用されている。
今回の新しい技術は、この初期の研究に基づいており、温度に敏感な TRPV4 と呼ばれるタンパク質に基づいている。
米バージニア大学のアリ・ギュラー(Ali Güler)博士と彼の同僚は、磁気トルク力が中央の細孔を引っ張って開くことによって、タンパク質 TRPV4 を活性化する可能性があると推論し、遺伝子工学を使用し、そのタンパク質をフェリチンの常磁性領域に融合させ、細胞に輸送するように信号を送る短い DNA 配列を示した。そのタンパク質を神経細胞膜に送り、そこに挿入する。
この遺伝子構造をペトリ皿で成長しているヒト胚性腎細胞に導入すると、細胞は「マグニート」 (Magneto)タンパク質を合成し、それを膜に挿入した。
蛍光顕微鏡で検出された細胞内のカルシウムイオン濃度の一時的な増加によって、磁場の適用は、操作された TRPV1 タンパク質を活性化させた。
次に、研究者たちは、緑色蛍光タンパク質をコードする遺伝子を特定のタイプのニューロンでのみ発現させる調節(遺伝子改変した) DNA 配列とともに、マグニート DNA 配列をウイルスのゲノムに挿入した。
そして次に、ウイルスをマウスの脳にそれを注入し、嗅内皮質を標的にした後に、マウスの脳を解剖して、緑色蛍光を発した細胞を特定した。
詐欺に、微小電極を使用してマウスの脳スライスに磁場を加えるとマグニートが活性化され、細胞がインパルス(神経系の電気的な信号)を生成することが示された。
マグニートが生きた動物のニューロン活動を操作できるかどうかを判断するために、研究者たちは、マグニートをゼブラフィッシュの幼生に注射した。ここでは、通常は逃避反応を制御するゼブラフィッシュの胴体と尾のニューロンを標的にした。
彼らはゼブラフィッシュの幼生を特別に作られた磁気水槽に入れた。磁場にさらされると、ゼブラフィッシュには、脱出反応中に発生するものと同様のコイル状の動きが誘導されることを発見した。
最終段階の実験のひとつでは、研究者たちは、自由に行動するマウスの脳の線条体(脳の皮質下構造。脳の中心部あたりを囲むようにして存在)、この場所は、報酬と動機付けに関与するドーパミン産生ニューロンを含む深部脳構造で、そこにマグニートを注入し、次に、磁化された非磁化セクションに分割された装置に動物を配置した。
マグニートを発現するマウスは、そうでないマウスよりも磁化された領域ではるかに多くの時間を費やした。これは、タンパク質の活性化により、それを発現する線条体ニューロン(脳の深部のニューロン)がドーパミンを放出した。これはマウスがそれらの領域にいることが報われるためだ(そこにいたほうが利益があると思わされる)。
これは、マグニートが脳の奥深くでニューロンの発火を遠隔制御でき、複雑な行動をも制御できることを示している。
光遺伝学を使用してマウスの脳の記憶を操作する米ハーバード大学の神経科学者であるスティーブ・ラミレス博士は、この研究について「すごいものです」と述べる。
「神経活動を制御するために磁力を使用するこれまで試みは、システムが機能するために、磁気粒子の注入など複数の要素を必要としていました。熱に敏感なチャネルを発現するウイルスの注入、または、コイルが変化を誘発できるように磁気で動物の頭を固定することなどが必要だったのです」と博士は説明する。
「このシステムは、脳のどこにでも注入できる洗練されたウイルスです。これにより、技術的に、より簡単にどのようなものでも動かすことができる」
これら「磁気遺伝学」は、神経科学者たちの道具箱への重要な追加条項であり、間違いなくさらに開発が進み、研究者に脳の発達と機能を研究する新しい方法を提供するだろう。
ここまでです。
わかりやすい内容ではないですが、流れとしては、科学的用語をできるだけ排除してみると、以下のような感じでしょうか。
> あるタンパク質を外部から磁気で活性化させる方法があるのではないかという推測が出た
> 遺伝子工学を使用してそのタンパク質を「磁性」を持つ、つまり鉄みたいなもんと融合させた
> このタンパク質が神経細胞膜に送られるような DNA 配列を遺伝子改変で作った(?)
> これをヒト胚性腎細胞に入れると、マグニートというタンパク質が合成され、それを細胞膜に挿入した
> 次に、このマグニートというタンパク質の DNA 配列をウイルスのゲノムに挿入して、マウスの脳に注入した
> そこに磁場を加えるとマグニートが活性化され、脳神経の電気的信号を生成することを示した
というような感じでしょうかね。
つまり、「脳神経を制御できた」と。外部からの磁気で。
感情とかもコントロールできるということですかね。
次には、お魚さんでやったと。
そうしたら、「行動さえ制御できた」と。
そんな感じの話でしょうか。
「そうかあ。タンパク質レベルで、それができるのかなあ」
と感銘した次第でして、何も磁性を持つナノ粒子とか、そういうものを持ち出さなくても、遺伝子操作により「やろうと思えば何でもできる」ところまで科学は、しかも数年前には到達していたのですね。
いずれにしましても、この実験でのマウスもゼブラフィッシュも、
「自分がコントロールされていることになど気づくこともない」
わけで、思考・感情あるいは行動嗜好まで、「自分でおこなっているものだ」と以外は思うこともないはずです。それがマウスや魚以外であっても。
今回の話は、タンパク質を人間の体内で生成する遺伝子改変型の mRNA がナノ粒子でコーティングされた物質を人体に注射するコロナワクチンとはまったく関係のない話となってしまいましたが、数年後の世界はどうなっちゃうのかなあ、とか(何か関係あんのかよ ← いや、関係はないよ)。
ふと、数年前に、医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に掲載された「ゾンビ感染症への対策」という論文などを思い出しました。 2015年の以下の過去記事にあります。
世界的医学雑誌に掲載された「ゾンビ感染症対策」論文で思い出すゾンビに関するいくつかのこと
投稿日:2015年12月18日
そこでご紹介した論文の主筆者である米ケント州立大学の医学博士のタラ・スミスさんは、ライブサイエンスに以下のように語っていました。
「新しいパンデミックはどのようなものでも、研究、資金、そして国際的な協調と意思の疎通。そして”準備”。すべて同じ対応になるのです。ゾンビの流行を含めてです」
さて、準備でもしましょうか。
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